3 道太郎との別れ(3/3)
生まれてから11年10か月を、その後の人生を生き抜くための理由となるものの構築に使い、動けなくなってからの22年間を、その理由のために生きてくれた彼の33年間の人生を考えました。
また、その彼に一番深く関わっていた母親であった自分が生まれてきた、そして生きてきたことの理由を考えました。考えて考えて考え抜くことで悲しみから自分自身を遠ざけたかったのかもしれません。
私だけこのまま生き続けていいのだろうか? あまりにも長く道太郎の息と合わせて生きてきた私は、しばらくの間道太郎と一緒に死んでしまったようでした。