1 生きる力 活かす力(1/4)

 決心はずーっとしていたのに「いじめ撲滅」運動をしっかりとした活動としてスタートするまでに、ずいぶんと時間がかかりました。日々の語らいの中で、マンツーマンでその精神を伝えてはいたものの、動けない息子と高齢であった義両親のケア、次男の教育といったすべてを抱えつつ、生活を支えるため寝る間もなく働いていたのです。

 その間はまた、息子をいじめから守れなかった自責の念と、医学に見放された生命と向き合う深遠な時間でもありました。

   どうしてこうなったのだろう?

   どうして彼は生き続けているのだろうか?

   生き続ける意味は何なのだろう?

 寝ても覚めてもそのことへの答えを渇望していました。移動中も、家事中も、仕事の合間も、とにかく息をしている時間すべてにおいてです。答えほしさに栄養学や脳科学など、多方面の勉強をしました。宗教、密教、哲学、科学、分子物理、分子生物、アーユルヴェーダなどといった書籍を読み続け、書籍でわからないことは学者を頼って知識を得る、ただひたすらに答えを導き出そうとしました。宗教団体8か所以上に通ったこともありました。

 けれども答えは得られませんでした。疲れ果てて絶望し、追いつめられたように心の拠りどころのない日々が続きました。私にとっての暗黒の日々。