1 気づいてほしい難病のスタート時(1/3)

 毎日大勢の方にお会いします。特に病気の方にはお会いしてお話をうかがいます。精神的疾患、内臓疾患、病名がついている人、ついていない人、今まで聞いたことがないめずらしい病名の人、難病の人、余命がもう残り少ないと宣告を受けている人……などなど。

 さまざまな人たちにそれぞれの発病経由をうかがっているうち、どの人にも共通した部分があることに気づきました。以下は、とある50代の婦人の話です。

「風邪は万病の元っていうけど、ホントにそうだと思います。最初は私も、軽い風邪だと思ってあまり気にしてなかったんですが、2か月近く身体がだるくって。微熱も続いていたので病院に行ったんですが、結局そのときはわからなくって……。で、2年後に膠原こうげん病と診断されて、いろいろ薬も療法をやったんですが、どんどんひどくなって……。えっ? もうこうなってから5年になります」

 この婦人はひどくよじれた身体を時折ときおり、痛そうに顔をしかめながら椅子の上で向きを変え、1時間あまりかかって前記の内容を話してくれました