7 脳のダメージにはとにかく脳の栄養素を入れてみて!(2/2)

 

 このように答えるお母さんはたくさんいます。なのに病気になった!

 私は答えました。

「とても気を遣って努力をして、それは身体にとってはよかったと思うわ。でも、身体に対する栄養と“脳”に対する栄養は違うの。脳には3つの栄養素が必要なのね。1つは、脳が出す命令信号を大きく強く出すための栄養素。2つ目は呼吸。呼吸によって血液中に溶けた酸素の20%は脳で消費しているの。そして3つ目は、心の指数を向上させること。

 ストレス性の病気の場合、脳内栄養素の消費量が異常に増えてしまうのね。そのため、たくさんの脳内栄養素を補ってあげないとどんどん不足して、それが“脳足りん症状”を引き起こすことになるの。だから、口から摂る栄養素の中でも増血作用が大きく、神経伝達物質がたくさん含まれている脳内栄養素をダイレクトに摂ることが重要なの。身体全体の循環機能を高めて、自分の脳から出す指令情報を、自律神経を経由して全身に配達する栄養のことよ」

 お母さんはきょとんとしてましたが、私はさらに説明しました。

「脳の栄養素の欠乏はすべての神経伝達を狂わせていると私は考えているの。なので、経口栄養素を摂り入れると言うのが私の提案なのね。ガソリンを入れていない車に、根性で走ってみろって蹴飛ばしたりする? そんな無理な理屈、子供でもわかるでしょう!? でも、人の場合、気づかないで根性で走れって言っちゃうのよね。あなたの息子さんもガソリンが入ってないのと同じ状態だと言えばわかるかしら? ガス欠車だと思うの、だからとにかく、ガソリン入れてみてちょうだい!」

 この親子は半信半疑で帰りましたが、その日から実行してくれました。早くも3週間目には、夜は眠らず昼までグーグー寝ていた青年が、家族と一緒に朝食を取れるようになったと喜びの報告が入りました。それから4か月ほどして、すっかり元気と活力を取り戻した青年は、再度受験の準備に入ったと言います。心身症を起こしていなくても受験期の子供たちにこの脳内栄養素をタップリ与えていたら、能力が全開し、集中力が増して、きっとよい成績を収められるでしょう。

 受験期の子供たちや、いっぱいいっぱいがんばっている子供たちに、ガソリンを入れずに根性で走れとお尻を叩いて、車本体を傷つけてしまわぬように切実に願っています。

 だから私は一生懸命働いて、いつの日か全幼稚園や学校で脳内栄養素を配りたいと真剣に夢見ています。