6 ご褒美ホルモンは天使と悪魔のホルモンに連動している!(2/2)

 

 社会問題をともなっている無差別殺人などの殺傷行為に走らせるものと、いじめをする行為のホルモンルーツは同じで、その対岸に「ニート(無気力)」状態があると知ったからです。

 本来の人間は無意識下で「無私むしの境地」を求め、前進するようパイロットされていますが、誤作動することがあります。大きな問題を引き起こすのも、心を閉ざして引き込もるのも、どちらも火事場の馬鹿力を動かす誤作動と同じものです。ですからたとえ仮想体験といえども、戦争ゲームなどの暴力的バーチャルリアリティの世界に脳を浸すことは、脳的には暴力行為を体験しているのに近いホルモンを分泌させます。最初はちょっとした暴力行為も徐々にエスカレートしてしまうのは、そのホルモンが快楽ホルモンに連なっていくからです。

 ニート的に生きていた人が信じられないような非人間的な暴力行為をとるような事件は、もともと知力や理性が弱い傾向にある人の脳の暴走を、この誤作動がきっかけとなり引き起こしてしまっているのです。

 ゲームが悪いのではなく、ゲームの中にしか居場所を持たなかったことが問題なのです。他方、ゲームの中で適度にフラストレーションを解消することができれば、いじめや暴力を実際に行動に移さないで済みます。ただこれは、自制心が強く30分以内にとどめることができないと難しいと思いますから、こういったたぐいの長時間の刺激はめるべきです。

 結論としては、ニートにも暴力行為に走りやすい人には、暴力寄りの環境を過度に体験させないことが望ましいのです。

 そして、愛情深い行動へのプロセスもまた重要で、愛寄りの行為を多く体験することでテストステロンは愛寄りホルモンになっていきます。ですから、愛に溢れた環境を常に体験させることで、ニートやいじめに走りがちな人々を暴力的な行動から切り離せるのではないでしょうか。

 他者を喜ばせる3つの言葉やボランティアなども効果的です。毎日のようにニュースで報道されるいじめや自殺は、直接関わりのない方も暗い思いを持ちます。ニュースの当事者の家族は、加害者も被害者もどうしてこんなことが起こったのかと思い悩むことでしょう。気の毒なことだとか、心が痛むなどと言ってないで、サインを読んで防ぐ方法があったことを伝えられなかったことが、残念で残念で胸が詰まります。