6 ご褒美ホルモンは天使と悪魔のホルモンに連動している!(1/2)

 

 どうしたら脳足りんサインをキャッチして、脳足りんをうめることができるでしょう。それには暴力や無気力のもととなるホルモンを動かす力のことを考えてみなければなりません。

 人間のホルモンは促進と抑制のバランスで動いています。正反対の力が同居しているのですが、私たちはこのバランスをとって生きています。人間の能力の中でほかの動物と違うのは、他人を喜ばせて自分の喜びとする働きがあることです。他人を喜ばせて心から満足できるとき、脳内ホルモン“β(ベータ)エンドルフィン”がドーンと分泌され、自分自身のご褒美ほうびとなるのです。なぜならば、このβエンドルフィンは自身の脳が出す最高の快楽物質と言われ、これがしっかり脳から出されれば自然治癒力が大きくなり、ナチュラルキラー細胞が働き、大変な病気まで治す力を出すと言われているホルモンだからです。

 私はこれをご褒美ホルモンと呼んでいます。このご褒美ホルモンを分泌させるのに関わるホルモンとしてアドレナリンがありますが、このアドレナリンが働くと、「愛と暴力のホルモン」とか「天使と悪魔のホルモン」と呼ばれるテストステロンというホルモンも同時に働きます。

 このホルモンはEQ(心の知性)と深くつながるもので、愛寄り行動をとれば愛寄りに、暴力寄りの行動をとれば暴力的になります。このホルモンをよく知ることで、いじめやニートに対してどういう対策を立てたらいいのかがわかりました。