「プロの呼吸」
スポーツ選手でも歌手でも、呼吸はとても大切な上達要素です。
料理人だって名人は呼吸をすごくうまく使い分けしています。
天ぷらを揚げる時、名人の板前さんは、油に種を入れる瞬間「ウッ」と息を止め、息を「ウンッ」と吸ってから油を切る時、「ウッ」「ウッ」という息をはいている。そんな板前さんの揚げる天ぷらは、カラッと揚がっていて、とても美味しいものです。
お寿司だって他のお料理だって、この気迫のこもった呼吸はとても重要なのではないでしょうか。もしかしたらこの呼吸の出来が決め手かもしれません。長生きは、長息のことで、ゆっくり息をすることが長生きのコツでもあると言います。
それから、物事を極めるための無心を創る時、深呼吸をします。催眠術をかける時もそうします。
政財界の成功者は、人の息の根を止めるようなことをすると言います。私にはそんな難しいことはできないけれど、植物状態に近いミッタロと22年間つき合ってきて、医学的に自力呼吸できないはずの彼が息をしているのは、みんなが寄せてくださる愛情を感じているからだと知っています。これが心(しん)呼吸ということではないでしょうか。
そうね、絶対! そうなのです。心呼吸ができているから、ミッタロは生きている。彼のように脳の四分の一がない脳死寸前の子が、22年間も生かされている元が心呼吸なら、もっと軽い症状の私たちにはこの心呼吸、もっともっと効くはずです。
生きているって、息をしていること。
息をしているって、自分の心があること。
自分の心があるのは、幸せに生きられるということ。
幸せに生きられるということは、人に幸せを伝えられるということ。
人に幸せを伝えられるということは人のプロであるということ。
どう心呼吸できました?