プロフェッショナル・プロポーズ(2/4)

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2. 娘の結婚

8年も前のことなのに、彼女は涙声になってその頃の悔しさ、苦しさがどんなにか大きかったかを話してくれました。

M子 「その後、仕事が上手くいって一般の男性より収入が良くなってくると変な話、私を利用したくて寄ってくる男性はいやだって思うようなっちゃった。私みたいな中年のおばんに近づくのは何か信用できなくって―――で、ディズニーランドで結婚式挙げたい人にめぐり会えないかナって話してみるの。親しくなった人にね。」

私  「お会いになれた?」

M子 「ううん、だめ。大抵、へえーっ、結構かわいい夢みてるんですねぇ。とか、何とかニヤついて言って。で、それ以上、心がついていけなくなってオワリ。そんなことのくり返しよ。こんな病気になるって分かっていたら、もっと適当にしとけばよかったのかなぁ。」

私  「そんなのだめっ! 最後の最後まで夢は追わなくっちゃ。夢は追うもの、そして叶えるものなの。あなた、ちっともおかしくないんだから。私だって同じ夢みてるもの、夢をみたって税金かかるわけじゃないでしょ。そんな夢みる自分をそっくり受け入れてくれる人、そういう人を待っているのがどうしていけないの。絶対、夢を捨てなきゃ出会えるわよ。そういう人に。そのためには病気を治して元気を取り戻さなきゃね。」

M子 「センセイが男の人だったらよかったのに・・・・・・。そしたら・・・そしたら・・・。一緒に幸せになれたのに。」

 私  「駆け落ちしちゃったりしてね。アメリカのディズニーランドに!」

 思わずふたりとも、顔を見合わせて大笑い。

 そのうちにM子さんはワァーワァー子供みたいに声をあげて、泣きじゃくりだしてしまいました。

 私も彼女の今までを思い(男性にまじって、仕事をしながら娘さんを育てたと聞いてもいたので)、しっかりと彼女を抱きしめながら病気―――白血病でよくて4か月と宣告されていました―――よ失せろ、病気よ失せろと心で何回も叫びました。

 その後、白血病値があまりかんばしくないままでも、4か月を無事にやり過ごせたある日、

M子 「娘の結婚が本決まりになったんです。もう私があまりにもたないって気がついたらしくって、式を早めにしてくれたみたい。」

私  「何、おっしゃってるの。そんな弱気じゃだめでしょ。ところで娘さん、ディズニーランドで挙式なさるの?」

M子 「いいえ、センセイ。娘は現実派ですから、そんな高望みはしないって・・・・・・笑っていました。アメリカへ行く分、他にお金をかけるって言っていました。」

私  「じゃあ、やっぱりあなたがディズニーランドでマリッジリングをもらう夢、ご自分で果たさなきゃならないじゃない。」

 M子さんは無理矢理笑い顏を作ったような感じで、にっこりして帰ったきり2か月が過ぎてしまいました。私の心配も届かないようにぷっつりと連絡が途絶えてしまったのです。

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