2 私の身体の中のお医者さん(1/2)
ちっちゃな頃よく転んで膝をすりむいたりした時、その頃は赤チンキというのがあって、お膝を赤くぬってもらい、しみるのでメソッとしながら、
「どーして京子ちゃんのお膝血がでるの?」
「それはね、お膝のキズにバイ菌が入らないように守るためよ」
「どーして、この前すりむいたところもう治ってるの?」
「それはねえ、京子ちゃんの身体の中にいるお医者さまが治してくれたからよ」
へえーっそうだったんだ! となりのボクラちゃんのお父さんも、さいとう医院っていうところのお医者さんだよね。白衣をきて消毒薬のにおいがいつもしてる。ボクラちゃんのお父さんみたいな人が、私の身体の中にいるんだ!!
「どーしてあんなに大きなお医者さんが京子ちゃんの身体の中に入っていれるの?」
「さあ、もう、どーして、どーしてって聞くのは止めて、あっちで遊んでちょうだい。もう怪我しないようにね、ママは、頭が痛くなってきたの」
「どーしてママ頭痛いの? 治すお医者さんママの身体にはいないの? ねぇどーして……」
「京子ちゃん!」