4 スーパースターとオバケスター
毎日の生活の中で、私たちは、気づいているもの、気づかないものはあっても、雑多なストレスに取り囲まれています。人間が立って生きていること自体ストレスだと言ってる人もいるほどです。病気というのは、それらのストレスの上に加わる、さらに強いストレスだと思ってます。古くは胎児の時代にかかったストレスから、昨日に至るまでのストレスが複雑に絡み合い、影響し合って複合ストレスの形をして表面化したものが病気だと思います。そう考えると、病気はストレス世界のスーパースターみたいなものだといえますね。
以前シェイプアップ法教室で教えていたとき、スーパースターほどではないけれど、スターと呼ばれている人の指導をしたことがあります。すごく大変でした。プライドが高くて、わがままで、こうしなさい、ああしなさいと言うと反発するし、適度にプライドを満足させながらレッスンしてましたが、すぐにムクれて素直に聞きません。二言目には、「私のイメージが……」とか、「ファンが納得しないわ」とか言い立てて、少しも上達しません。
さすがに私もムッとすることがありましたが、そのたびに自分に言い聞かせました。
「これは病気がさせているんだわ!」
そのスターのわがままに対応していたんですが、いつの間にか通ってこなくなりました。どうしたのかしらと心配しているうちに、芸能界からも消えてしまいました。消えてしまったスターなんてまるでオバケみたいです。
スターといつまでも言われている人は、周囲とうまく共存できる人でなくては、その地位を保てないんだと思いました。
私自身、その当時、現在ほどの経験を積んでいたら、消えてしまったあのスターにもっと違った指導ができたかもしれないと反省もしています。力で対抗するのではなく、スターといえども原点は一人の人間なんだと気づかせて、自分が頂点に立っているのではなく、周りの人との共存の上に成り立っているし、上を見ればもっと上があるんだと気づかせる指導ができたかもしれないと思います。いつの間にか消えてしまったスター。オバケのように消えたオバケスターになることもなかったかもしれないと思います。
病気というスーパースターも、このオバケスターと同じじゃないかと思います。もとは一つひとつのストレス複合体だと知れば、その原点の一つひとつのストレスが病気をつくる意味を持つと気づき、それ以上の力を足して、ストレス複合体を崩せばよいわけです。スーパースターをただの人にしてしまうのと一緒と考えてください。