第13話『きょこちゃん、学校をつくる』⑤ (全8回)

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学園でアクシデント!

それは〔日本史にかがく花園学園〕の体育の時間の出来事でした。担当はきょこセンセイで、創作した「ピョン・ピョン・コウサギピョン」体操をしていた時のことです。

みぃちゃんとコウちゃんが、階段近くまで「ピョン・ピョン・コウサギピョン」をしていたのを見て、階段から落っこちてしまう! と咄嗟に思ったきょこちゃんが2人のところに駆け寄ろうとしたのでしょうか、次の瞬間、身体がでんぐり返って2階からドッドッドドーンと下まで転げ落ちてしまいました。

きょこちゃんは脳しんとうを起こし、しばらく気を失ってしまいました。

「キャーッ」

「うわあーん」

「あーん」

「あーっ!!」

数々の悲鳴が上がり、お母さんがラーメン屋食堂から飛び出してきました。きょこちゃんは背を丸め、のびています。右足が変な方向にぐにゃっとしているのを見た途端、お母さんは貧血が起きて倒れてしまいました。

何分ぐらい経ったのでしょう、フサ子ちゃんとゆみちゃんがタオルを水で絞り、きょこちゃんとお母さんの額に当ててくれて2人は同時に気がつきました。

「ふうーっ!! よかった。死んじゃったかと思ったじゃん!」

フサ子ちゃんが青ざめたお顔でのぞいています。

「平気、平気」

ときょこちゃんは立ち上がろうとしましたが、

「いたっー!! い!」

立つことが出来ません。どうやら右足をひどく痛めてしまったようです。お母さんはきょこちゃんを病院へ連れていくことにしました。

「アタイがみぃちゃんとよっちゃんを見てるから」

とフサ子ちゃんに見送られ小柄なお母さんはやっとこさ、きょこちゃんをおんぶして電話で呼んだハイヤーに乗りました。

病院の救急外来で待っていると、次々と交通事故や急病人が運び込まれてきます。救急車が止まる度にドキンとして入口の方を見ているうち、お母さんもきょこちゃんもだんだんそこから逃げ出したくなってしまいました。

血のにじんでいる人が運び込まれた診察室からは「ぅうーん、うーん」などと、つらそうなうな唸り声や泣き声が聞こえてくるのです。

その度に

「おかあちゃん・・・・・・」

「きょこちゃん・・・・・・」

2人は顔を見合わせていました。

「はい、次の方!」

ようやくきょこちゃんの番です。

痛くて歩けないきょこちゃんを、お母さんは「よいしょっ」とおんぶして診察室に入りました。

救急外来での診察 1

「どうしましたか?」

体格のいい大きな四角いお顔の先生がこちらを見ています。お母さんがきょこちゃんを降ろすと

「やぁ! 大きい赤ちゃんだね、甘えん坊なのかな? 何年生?」

きょこちゃんは、〔日本史にかがく花園学園〕の校長先生だということを思い出して威厳を持とうと努めながら

「3年生です。私は甘えん坊だからおんぶされてきたんじゃありません」

と言いました。

先生はきょこちゃんの威厳に押される様子もなく、

「どおれ! 足か? 足を見せてごらん!!」

「痛たっ!! 痛っ! い!!」

「ほおっ! こりゃ大変だ、折れてるかもしれんよ。すぐレントゲン室に運びなさい」

看護婦さんにそう言いつけると

「どんないたずらをして、けがをしたのかな?」

「あのね・・・・・・」

きょこちゃんが話しだそうとすると、

「いや、いや、君はいいよ、お母さんに聞くから・・・。君はレントゲンをとってらっしゃい」

「・・・・・・はい・・・・・・」

きょこちゃんはちょっと面白くありませんでした。

(引っ越す前の世田谷では、きょこちゃんを赤ちゃんの時からずっと診てくださっていたサイトウ医院のサイトウ院長の方がずーっとずーっとやさしくって、いい先生だったわっ!! わたしを子供扱いしなかったもの)きょこちゃんはそう思いました。

サイトウ院長先生はきょこちゃんがお引っ越しのお別れにいった時、「きょこちゃん、引っ越すのか・・・・・・、そうか・・・・・・わたしももう年だ、そろそろ引退するかナ」と仰いました。そして本当にその後すぐに引退して、百姓をするといい山奥の里に行かれたそうです。

そのサイトウ先生から『きょこちゃんのように勇気のある子、見たことがない』と言われたことをきょこちゃんはずーっと覚えています。(あーあ、サイトウ先生だったらよかったのに。きょこちゃんお顔が大きくって四角い先生なんて嫌だわっ!)白髪のやさしい目のサイトウ先生を思い出していました。

「さぁ、この台に乗って、合図したら息を止めてね。すぐすむから」

看護婦さんはテキパキときょこちゃんをレントゲン台に乗せました。みんなお部屋の外に出て真っ暗になりました。きょこちゃんが心細さを感じる間もなく、

「はーい! いいですか? とりますよっ! 息を止めて、1,2、・・・・・・はい! いいです。終わりですよ」

レントゲンはあっけなく終わり、看護婦さんの持って来てくれたストレッチャーに乗り換えて診察室に戻りました。

「やぁ、とれたかい? きょこちゃんは学校ごっこをしてて階段から落ちたんだってね!!」

先生は大きな声で話されます。きょこちゃんはお母さんの方を見て、口で(もうっ!)という形を作りました。

(続く)

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