4. 脳の力、愛の力
「あの、そんでもって、ディズニーランドで結婚式は?」
M子さんが息をつぐ合い間に、私もようやくマヒした頭が動き出してきました。M子さんは照れくさそうに、そしてとてもうれしそうにピンクになったお顔を輝かせて、
M子 「私にとっては、もうそんなことどうでもよくなっちゃったんです。何かそんなことにこだわっていたんじゃなくって、もっと深いところで私を認めてくれたり、愛してくれてるって気付くためのキーワードにしか過ぎなかったみたいなんです。変ですよね。あと、どの位生きられるか分からないギリギリのところで出会ったのが彼で、彼が元のダンナだったのは偶然のような気がしているし、その最悪の場面で彼は私の夢を本当に理解してくれたし、叶えようとしてくれたんですもの。それだけでもう充分と思えて・・・・・・それで・・・・・・また幸せつかめるかなぁって彼と・・・・・・。」
分かるなぁ、そんな気持ち。
よかったね。M子さん。
ずーっと望んでいた条件なしの愛を手に入れることができて、きっと元夫さんも8年の間に成長したのでしょうね。
だとしたら、病気をしたことは無駄ではなかったみたい。
あれから4年、余命4か月と宣告されていたM子さんは、とても元気で死病はストップしてしまったみたいです。
頼り、頼れる人と一緒にいることで、毎日のストレスや不安から解放され、彼女のすべてを無条件で受け入れ、愛してもらうことで、彼女自身が100%彼を愛することができるようになったのです。
その結果、自分のためではなく彼のために全身全霊100%生きたいと感じたことが、ランナーズハイをも作る快楽ホルモンの起点、脳の神経A10細胞を動かして、脳活性が進んだ結果、脳内パイロットが(自己正常化機能に導く能力)フル作動したのです、きっと。
こういう症例をみると人間ってすごい、人間の愛の力ってすごいなぁと、神の光を見たようにうたれてしまいます。
だって、医学的にはとても考えられるものではありません。
普段は眠っている潜在能力を彼女が100%動かすことができた。
そのキーワードがディズニーランドでの結婚式だった。
それが、ディズニーおたくの私としてはすごくうれしい!でも、やっぱりディズニーランドで結婚式をして欲しかった。
ただ、残念なことにこのおふたりはこの4年の間に、ディズニーランドのお姫様と王子様の衣装がとうてい似合わないウエストの持ち主になってしまっていたの。
でも、まあ、いいかな、幸せなんだから。
だけど・・・・・・私はあきらめたくない!
絶対このキーワードを使って、100%幸せになってやる!
せっかく生まれてきたんです。いくつになろうと夢を実現するために、頑張り通そう! そう決めています。
みんなも同じなのですよ。
プロポーズのプロはプロフェッショナルのプロと違う?
プロフェッショナルなプロポーズ。
「ディズニーランドでマリッジリングもらわない?」
―――とここまでセリフが決まっているのに、その言葉をためす相手にまだ出会っていない私です。