今、死んでしまいたいあなたへ 死様がない私からのメッセージ(2/3)
また、ある時、地獄谷に投身しようと思い立って親友にお別れを言ったら、彼女はカンづいたらしく、一緒に行って一緒に死ぬと言い出したので、彼女の友情に止められた一件がありました。
また、ビルの屋上からの投身自殺は、身体がグチャグチャになって、他人の家にまで汚物が飛び散りそうでいやだし(近所に、投身自殺のよくおきるマンションがあった)、だからこの方法が一番、きれいに逝けると考えていたのに、甘かったなぁ! 血だらけもホテルに迷惑だし・・・・・・。
仕様がないなぁ! この期におよんで!
仕様がない! 仕様がない! 仕様がない!
痛むお腹と、ひっきりなしの吐き気がおそってくる合い間に、仕様がない!仕様がない!
「トン、トン!」
「トン、トン!」
「トン!トン!」
ン? 今、ワタシハドコニイル?
げえっ! 気がつくと、トイレのヘリに頭をのせて、意識がなかったらしく、メイドさんの「おそうじします!」の「トントントン」で目が覚めた。
髪も、身体も、汚物まみれ、あ~あ、急いでシャワーをひねり(こういう時、人間は何も考えずに普段通りの行動をしてしまうものらしい)、「後にしてくださぁーい」とどなり声を上げていた。
汚れた衣服を袋に入れ(一番似合うワンピースだった)、着てきた普段着に着替え(こんな時になんだけど・・・・・・スカートがゆるくなってた!)た頃には、決心していた。
もう、二度とデブい身体にはもどらないゾッてね。こんな時にすらちょっと喜び感じながらね。
そんな、ドラマティックな死からの生還者の私が固い決意で帰宅すると、昨日から今朝にかけてあんなに苦しくて死のうとしていた私以外は、何事も変わっていないのです!平常通りの営業なのです!そんな現実を知ったらなんか馬鹿馬鹿しくなってしまった。
だって、テレビの番組はあいかわらず私とは全然無関係だし、世界の何ひとつ変わってはいないなんて!あんまりじゃない? 卑怯じゃない!これでは、私が死ぬことなんか全然無意味じゃない。何事もなかったようにすべて変わっていない!
でも、昨日のことが夢ではなかった証拠は、ひっきりなしにくる腹痛とゴロゴロピーピー、笑っちゃった!
仕様がない! 仕様がない! と、逃げてきた32年間の生活にピリオドをうてたはじめの一歩の日のことです。そして今までのように、決して屈しない決意の一歩のとっかかりが、それでした。そして笑いながら仕様がない・・・・・・やりようがない・・・から、なぜか離れることができました。
生きているのなら、やりようのない辛さの中で死ぬのに比べれば―――と身体が感じた記念日です。
だから言います。絶対に、自分で自分を殺そうなんて考えてはだめ!すごく、辛いんだから!汚く、ばっちいんだから!
それに比べたら、人から裏切られようと、借金があろうとすべてが上手くいかなかろうと、その百倍も楽なんだから!