人のプロをめざす人はお茶わん変えて気分を一新
「センセイのお茶わんどれです?」
「クリスマス終わったから、冬の」
「これ? この松のですか?」
「ううん、それは一月用。白地に青い花のよ」
「はいっ、わかりました。けどホント、センセイのお茶わん覚えられないです。しょっちゅう変わるんですから。」
ボランティアの食育部の方によく言われます。
そうなんです。以前はごはんのお茶わんは割れてしまうまで、同じのを使うって決まっていたみたいなのですが。でも、ミッタロの意識がとぎれとぎれで、
「ごはんよ」
と呼びかけてもボーッとしてることが多いので、ごはんを食べさせるのにいろいろ工夫をしました。
いつ息をいきとってもおかしくないって、こわい太鼓判おされているこの22年間。ドラエモンのお茶わんや、プーさんのやら、サンタさんのやら、いろいろ変えてみてもすぐ刺激がなくなってしまうのです。
そのうち、グラスに三食ごはんを入れてみたり、コーヒーカップに入れてみたりといろいろやってみました。今はさらに体力が低下して、おじやみたいにしなくては食べられなくなってしまったけれど、とにかく手当たり次第、食器を変えてびっくりさせて食べさせようとしたわけです。
そんな努力のなごりでしょうか、季節や行事ごとにお茶わんを変えてみるようになったのは。
ホントに安上がりの気分転換法です。
家族の誰かが誕生日の時には、お赤飯をしますよね。
その時、お茶わんも新しいのを、おろすことにしてみると、また新しく生まれ変わって頑張ろうという気になるのではないでしょうか。
今日という日は一度だけ、二度と同じ日は来ません。だから、一日たりともおろそかにはできない気がしませんか?
あと何回食事をさせられるのかしら? と思いながらミッタロに食事をさせる時、私たちだって一生のうち食事ができる回数は決まっていると気付いたのです。
だから、大切にたんねんに、生きている証としてお茶わんを変えてみたりするのは、今日からでもすぐにできますよね。
そんなことで気分が改まるかどうかなんて深く考えないで、すぐやってみましょう!
何種類ものお茶わんを持つのも人のプロの修行の道ですよ。