人のプロ作りの登竜門  黄色いハンカチ運動


闘病中の社会学者、寄本勝美先生が駅で動けなくなってとても困った体験をお話し下さったのは、ずっと環境問題と取り組んでこられた中で、他の人が困った時にはどうしたら助けられるかという課題を持たれていたからでした。

 「あぁ、こんな時、黄色のハンカチかなんかパッと出して振ったら誰かが合図と気付いて、困っておられるのですか? って声をかけて助けてもらえたらなぁと思っちゃいましたよ。他の困った人はどうしておられるのかねぇ。」

 先生は朗らかにお話し下さったのですが、30分以上も身体が固まって動けなかったとお聞きして、どんなに辛かったろうと、その情景が浮かんで、私は胸がいっぱいになってしまったのです。

 寄本先生とそのサポーター役の光子夫人は、いつでもどんな人にも分けへだてなく笑顔で心配りや思いやりを示してくださる素敵なおふたりなのです。

そして、なにより人のプロと言える方々。

 なのに、おひとりで歩かれている時に、困って助けすら求められず、辛い思いをなさった先生にそのお話を聞いて、私以上に無念を感じたと思う光子夫人の胸中をお察ししたのです。

 「そういうハンカチ作りましょう! そしてそれを広めてみんなで助け合い運動に育てましょう!」

と宣言しちゃったのです。あたりまえでしょう!

 長年、人のための環境を整えることに情熱を注いでこられた先生を、私たちの知らない所で誰かが助けてくれなかったなんて!これじゃあ、枕を高くして寝られたもんじゃないじゃない!と思ったのです。

 というわけで、「黄色いハンカチ・ヘルプの信号」という絵本を描いたのです。

まだ世に出していないけど、障害があったり、歳をとったりしているけど、人のプロに黄色いハンカチを持ってもらい、困った時にこれを振ってもらう。SOSの旗がわりです。

 運動のこと知らなくたって、黄色いハンカチ振っていたら、「何かしら?」って思って足を止めてくれる人だってきっといるはずです。

 そうしたら、助けられた人はとっても嬉しいことだけど、人を助けることが分かりやすくできる。

 助けていいのかどうか分かりにくいことも、無関心になってしまっている要因だと思うし、ね。

 とにかく、この運動を通じ、人を助ける喜びを多くの人に味わってもらい、人のプロを発掘するという陰謀をたくらんでみたいのです。黄色いハンカチの欲しい人は、どうぞ後記の事務局までご一報下さい。

 助けてくださった人がとっても嬉しくなるような、「ありがとう」を言って下さるということを条件にしてハンカチを配ります。

 黄色いハンカチを振る人も、それを見て助けた人も、合わせて人のプロをめざすことになったら、すっごくいいと思いません?

黄色いハンカチの詩

 

一 苦しい誰か助けてと

  黄色いハンカチ ヘルプの信号

  パッととり出しパッとふる

  誰かがきっとあなたのことを

  必ずみててくれるから

  黄色いハンカチ さあふろう

 

二 出会いのチャンスくれるのは

  黄色いハンカチ ヘルプの信号

  あなたの気付きが役に立つ

  誰かがきっと求めてる

  幸わせ感じる

  黄色いハンカチ さあ さがそう

 

三 助ける喜び知ったのは

  黄色いハンカチ ヘルプの信号

  心と心の橋わたし

  愛の花束届けると

  世の中が信じてる

  幸わせ広げる 黄色いハンカチ 平和色