5 スーパースターを手なづけろ
ストレスを力でねじ伏せよう、消してしまおうと思うと、抗ストレスホルモンが脳の中に出てきます。抗ストレスホルモンは、脳細胞にとっては毒になるもので、私はこれを“自殺ホルモン”と言ってます。ストレスを引き算で消そうとすると、これがドッドッと出てくるわけです。そこでストレスと対抗するのではなく、それを上回るもっと大きいスターを脳の中に作っちゃうという考え方が、自殺ホルモンを出さないでスーパースターを手なづける方法というわけです。
こんな考え方聞いたことないと思いました? そんなことないんですよ。宗教でもよく使う手法ですし、ヨガの行者の世界でも説いています。簡単にいえば、そうならないために“無”の境地を作り出すということ、すべて現実を超越した力“無”になろうと説くわけです。
でも型にはめた話を説いても、人によっては自殺ホルモンを出してしまうかもしれません。誰ですか? むなしいなんて思ったのは!
哲学的に言うと“無”なんですが、私流に言えば“フェイクの世界”のことなんです。カラオケで歌ってばかりいたらガンが治ったとか、おしっこを飲んで治したとか、何でもよいから何かにのめり込んで、ひたり込んで一心になったとき、その人はフェイクの世界の住人になっていて、その力がスーパースターを制御することになるケースは、みんなこの“無”の境地につながっているのだと思います。“滝に打たれる”だとか、すごい修行“荒行”などでも得られるらしいけど……。
この“無”の世界は他人が作ってくれるものではなく、自分自身が作り出さなくては意味がないものです。私が自分のために処方したのは、“ディズニィーランドを一服”という方法で、すぐにフェイクの世界に入れるようにしたわけです。ディズニィーランド → F洋菓子店で幸せファミリー → ミニィーちゃんのキャラクター → 何の心配もストレスもないフェイクの世界、という図式なんです。今では修行のかいあって、ミニィーちゃんを見ただけで今によいことありそうな、ルンルン気分になって心身ともにフェイクの世界を味わえるわけです。そのおかげで私の部屋にはミニィーちゃんグッズでいっぱいです。
初めて私の部屋に足を踏み入れた人は、そのコレクションに目を見張って言います。
「こちらのお宅にはお嬢さんがいらっしゃったんですね!」
心の中で私は答えます。
「お嬢さんは私なのね!」
私にとってフェイクの世界へ入る儀式が、“ディズニィーランドを一服”という処方なんです。あなたにとって何がその一服になりそう? とにかくスーパースター(病気)を身体に持っている人は何か一服もったら?