予想外の出来事
「えぇっ!!」
カタログを開けてみて、きょこちゃんは、ドッキリ!!
「以前のカタログにあった、あのシンデレラのお鍋がないわ!!」
―――シンデレラのお鍋―――
きょこちゃんが、ひそかにスタンプを貯めてかえようと思っていた、白いきれいな、あのホーローのお鍋。いつの間にか、きょこちゃんの中では、「シンデレラのお鍋」と呼んでいた、あのお鍋。
「あのお鍋が、カタログに載っていない!!」
ドキドキしながら、何回も何回も何回もカタログを見なおしましたが、やはり、あの白いお鍋はありません。代わりに、ピカピカのきれいなお鍋のセットが載っているのです。
「えぇっー!! どおしてなの?」
きょこちゃんは転校生
2年生になった新学期、きょこちゃんは、山の手から下町の小学校へ転校してきました。
転校初日、
「どんなお友達ができるかしら?」
ワクワクしながら、お母さんに送られて学校に行きました。教室で紹介されました。
きょこちゃんは、ピョコンと頭を下げました。
「よろしくお願いします!!」
「帰る頃、校門までお迎えに来ますからね」
と、お母さんが帰っていくと、きょこちゃんはお席替えするまではここにね、と1番後ろの席に座ることになりました。
お机は二人がけ。その一方には、モシャモシャ髪の女の子が座っていました。
「わぁっ!! きょこちゃんとおんなじモシャクシャ頭ね。毎朝お髪をとかすの痛いのよねぇ。今は、3つ編みにしているから、ましだけど・・・・・・きれいにとかしても、すぐ汚く見えちゃうのよねぇ、くせっ毛って、たいへんよねぇ」
その子は何も答えませんでしたが、クラスのみんながクスクスと笑ったみたいでした。
(キーンコーン、カーンコーン)
休み時間になりました。
きょこちゃんが、お席を立つと誰かが、
「はじめのいーっぽ(1歩)」
と言いました。続けて、一斉にガタガタガタ、クラス中の皆が立ち上り、きょこちゃんに続きます。きょこちゃんがみんなの方を見ると、全員ピタッと、動きを止めます。廊下に出ても同じ、トイレまでの道をゾロゾロゾロ、
で、きょこちゃんが振り向くと、みんなピタッと動きを止めます。
「わぁっ!! おっもしろい!!」
きょこちゃんは、すっかり嬉しくなって、ニコニコしながら、ピョンピョン跳ねるように、そこら中を動き回り時々ぱっと振り返っては、みんながピタッと止まるのを楽しみました。
(キーンコーン、カーンコーン)
(続く)