声楽家のお耳はプロの耳(2/2)

 

 

 前記した、くゎあ~らぁ~すぅ~♪(七つの子)になって、大きく口を開けて・・・、

 ジャ~ン、

 くゎあ~らぁ~すぅ~

 ジャーン、

 「あっ! 京子センセイ! 口、閉じましたョ! さぁもう一度!」

 ジャ~ン、

 「あっ! おしい! 今、また!」

 ジャ~ン。

 こっそり舌でペロッと、唇をなめようとしても、

 「さーぁ、気をつけて!」

 ジャ~ン―――なんて。

 見逃さないのです―。これが!!

 何人レッスンつけても全力投球!!

 ジャ~ン、

 「あっ、口、閉じないでっ!」

 「あっ! 口、閉じた!」

 ジャーン、ジャ~ン、

 ジャカジャカジャ~ン。

 「あっ! お口をちゃんと縦にして」

 ジャーン!

 えーっ!? センセイ、ピアノを弾いていてこっちを見ていないのに! 絶対に見逃さない! ではなくて、絶対に聞き逃さない!!

 きっとこの先生、ものすごーくいい耳をしているんですね。

 本物の音楽家って、こうなのだ。プロなんだなぁ!―――とつくづく感心してしまったのです。

 私たちも自分の身体が出す声、自分の子供が出す声、それを聞き分けるプロをめざしているのかな?

 生まれてからずっとレッスンしているのにね。

 ジャーン!

 ジャ~ン!!