親のプロになってよね!(2/2)
「私が一緒に街に立って、カンパでも何でも、道行く人に頼んであげるから。夜中に、道路工事の旗振りアルバイトをしてでも、この子を助けよう!恥ずかしいなんていってられない。今、病院の費用や栄養素や学費が必要なら、親たるもの、人間の先輩たるもの、生命がけでお金をつくるべきだと思わない?それが親のプロでしょ!!親だけはアマチュアじゃ許されないのよっ!」
そう叫んでしまいました。
だって、生命の前に、仕様がないはないはずなんだから。
何回も死のうとした私は、そういう仕様を思いつくのが上手くなったんですから!
「そうですよね、京子センセイが、仕様がないお金がないから仕様がないって思ったら、この栄養素はできなかったし、ミッタロさんも生きてこられなかったんですよね。うちの子も、病院では治らないといわれたので、あきらめても、もともとって考えが、どこかにあったのかもしれません。もう一度、よく相談してきます!」
(馬鹿っ! この期におよんで相談するとはなにごとですか!)
そう思ったけれど、声に出しては、
「今すぐスタートした方がいいと思うのよ。体力がまだあるうちに栄養入れなきゃ、戦う力、取り戻せなくなる。いい? 病気を治す、魔法の薬なんてこの世にないのよっ! 周囲の愛情が、本人の治る力を引き出すようにパイロットするんだから―――遅くならないうちにこれを持っていって飲ませてみたら・・・」
気が付くと栄養素をわたしていた。
(あーあっ、またやっちゃった!)
でも、後日、
「病院でびっくりされる程、良い方向に向かっています。あの日、家に帰ってから、センセイの夜中のアルバイトと街角カンパの話をしたんです。先生が乗り移ったみたいにきっぱり宣言したら、その日以来、主人はタバコもお酒もやめてくれたし、自分のことしか考えていないと思っていた上の子も、夜間の学校に移ってアルバイトするからって言いだして・・・。おばあちゃんも年金のうちから、カンパさせて貰うなんて・・・。とにかく、家中、すごくよくなってしまって・・・。センセイ、天はあるんですね。センセイ・・・、ありがとうございます!」
―――そんな電話があったのです。ありがとうと言われた私は、そのカゲで支えてくれるみんなの顔を思わず思い浮かべました。
―――とりわけいつも火の車の台所をあずかっている事務方のこと―――
ごめんなさい、まだ当分苦労を続けさせそうです。
でも、 こんなハッピーエンドは大好き!
もちろん、その御家族にとってはスタートしたばかりなのだけれど、きっとうまくいくはずです!
みんなで家族のプロをめざしてねっ!