人のプロは腹の虫の居所を調整できる! 1
人間は昔から
「腹が立つ」
「腹に据えかねる」
「腹の虫の居所がわるい」
などとおだやかではない感情を表現してきました。
小さな頃には、
「何がたつの?」
「何を据えかねるの?」
「腹の虫の良い居場所ってどこ?」
―――と周囲に質問していましたが、人間の腸には100種類以上、数では100兆以上、重さで1500g以上の腸内細菌が定住していることを学んでからは、すべて菌由来なんだと考えるようになりました。
菌は虫と考えられるからです。多種多様な腸内細菌は人体に善い働きをする、
「善玉菌」と、
人体に悪影響を与える、
「悪玉菌」があり、
さらに通常の状態では何もしませんが、条件によっては善玉菌にも悪玉菌にもなってしまうという、
「変心菌」
の3種類に分類されるものがあります。
これらの菌はそれぞれの種類ごとに集団で棲み分けています。―――腹の虫には居所があったんです!―――
これらの菌は、限りある腸内スペースの中の全腸内細菌数を一定に保っているといいます。
また、「善玉菌」、「悪玉菌」、「変心菌」の数量バランスはひとりひとり個人差があり、縄張り争いで善、悪、どちらの菌が優位に立つかで、菌にとって「大家(おおや)」であるその人の健康状態が左右されるのです。―――「腹が立つ」時はどちらの菌が立っているのでしょう―――。
「悪玉菌」の代表のウェルシュ菌や大腸菌類などは植物タンパク質をエサとして、ニトロソアミン、インドール、インドキシル、ソカトール、フェノール、アンモニアなどの有害物質を作り出し、それが老化を促進したり、免疫力低下やガンを引き起こしたりすることが近年明らかになってきました。
2へ続く