第十三話『きょこちゃん、学校をつくる』⑧ 完結

「こんな大人に愛った(あった)から」第十三話

きょこちゃんの「愛」たっぷりのストーリー。

心に刻まれた学園生活

きょこちゃんはその日から小児病棟の小学生のことが頭から離れなくなってしまいました。そこで、元〔日本にかがく花園学園〕の生徒たちとお手紙を書いて渡すことにしました。

病棟小学校の皆さんへ

 〔日本にかがく花園学園〕という私たちの学校は本当の学校ではありません。火・木・土曜だけの学校です。先生は3年生が3人います。音楽、算数、体育を教えます。

 生徒は4人の時もあるし、8人の時もあります。今は校長先生がケガをしてお休み中です。皆さんとは会ったことがありませんが、病気なのに頑張っていてえらい子たちだと思いました。

 どうか早く治って、いつか〔日本にかがく花園学園〕にも遊びに来てください。学園のペットはケニヤという黒猫です。大きいのでみんなは黒ヒョウの子供だと思ってびっくりします。

書きながら婦長さんが仰った「治らない病気」が思い出されて涙がポタポタこぼれました。船もいっぱい作って一緒に届けました。婦長さんは、きょこちゃんたちに悲しむショックを与えないようにと考えたのでしょう、面会は許可されませんでした。でも、お手紙は渡してくださいました。お返事ももらいました。宛名に自分たちの学園の名前が書いてあるので本物の学園のように見えます。

日本史にかがく花園学園の皆さんへ

 私たちは病棟の小学校生徒です。 1年生と4年生2人と、5年生です。先月までは1年生と2年生、それから3年生もいましたが、今は4人だけです。

 治って退院すると本当の学校に帰りますから、ここは入院中だけの学校です。治療もあるのであまり楽しくはありません。皆さんの学園は楽しそうな気がします。治ったら入学させてもらおうと4人で話し合っています。船も一緒に作りたいです。

 いつもみんなが元気で楽しく勉強できるように、どんな時もお祈りしています。

追伸:船のおかげでみんな元気付けられています。ありがとう。

読み終えると、きょこちゃんもフサ子ちゃんもゆみちゃんも、胸がいっぱいになってしまいました。治らないかもしれない病気の小学生たちが、自分たちのために祈ってくれてる!! その一文に心が震えてしまいました。そしてその文章はその人たちの心の思い描くことなんだと感じることができました。どんな時でも元気で楽しく暮らさなくては、病気のこの人達にわるい!!とそれぞれが決意した瞬間でした。

 たった1回の文通だけで、その間もなく病棟小学校は廃止になってしまいました。きょこちゃんたちはその子たちが〔日本にかがく花園学園〕に入学してくれるのをずっと待っていました。

 そのうちにきょこちゃんの足は治り、〔日本にかがく花園学園〕も3年生の先生たちが上級生になって、本物の学校に遅くまでいなくてはならなくなったので、廃校せざるを得ませんでしたが、いつまでも心に残る学園生活でした。

 

 

おわり

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