第十三話『きょこちゃん、学校をつくる』③

「こんな大人に愛った(あった)から」第十三話

きょこちゃんの「愛」たっぷりのストーリー。

番長と対決!

 公園の一角で赤いネクタイの生徒たちがはじっこに固まって震えながら立っています。

その周囲を囲んでいるのは6年生の男の子たち4人です。その中の1番身体の大きな子がカンちゃんのお兄ちゃんです。

 「何しているのよっ!」きょこちゃんはカンちゃんとフサ子ちゃんを引き離しました。

フサ子ちゃんは怒りで真っ赤になったお顔を土埃だらけにして悔し涙をにじませています。

「どうしたの?」フサ子ちゃんはよっぽど悔しかったのでしょう、何も答えず土だらけの顔を土だらけの手の甲でぬぐいました。

「ブチャコだからブチャコって言ったんだ。生意気に九九、得意そうに言ってよぉっ。ブタ女!! ブウブウ言うなら豚小屋に行けっ! ブーチャーコォ!」そう立ち上がりながら答えたのはカンちゃんです。

 バッシーーン!! きょこちゃんは怒りで身を震わせんばかりになって、カンちゃんの顔をひっぱたきました。

 へっ! といったビックリ顔でカンちゃんは黙りました。みんなも一瞬何が起きたのかわからず、あっけにとられてしまいました。

 きょこちゃんが・・・・・・、去年転校してきたばかりのおとなしい感じのきょこちゃんがこんな風に怒って男の子を叩くなんて誰も思ってもみなかったからです。

 叩かれたカンちゃんのお顔には、ご飯つぶとお味噌がべったりくっついています。そして叩かれた部分がみるみるうちに赤くなるのを見て、みんなは一斉に笑い出しました。

 きょこちゃんは給食作りをしていて手を洗わずに駆けつけたのです。

「さぁ! どいてちょうだい。ブランコに乗りますから、ブランコのひもをとってくださいナ」

「なにおぉ!! お前たちチビッコはすっこんでろ! ブランコになんか乗せないぞ!!ブチャコ仲間のくせに!! 生意気だ!! 豚臭さがうつってくさいや、ブウブウ。」

叩かれて少々ひるんだカンちゃんに代わって大きな身体の番長がずいっときょこちゃんにつめよってきました。

 並ぶときょこちゃんは番長の肩位しか身長がありません。

「カンちゃん、月曜日のホームルームの時、みんなの前で今日のこと言いますからね。」こう言うとカンちゃんはすっかり恐れをなして番長の後ろに隠れてしまいました。

「カンちゃんのお兄ちゃん、カンちゃんはいつも弱い者いじめしてるのよ。お兄ちゃんがそんな悪口教えるから! お兄ちゃん、カンちゃんがみんなをいじめないようにいい子に治して。」

「なんだよォ! お前ペラペラと! 生意気だなァ! 本当に怒るぞォ!」

「番長!! 殴っちまえよォ!!」他の男の子たちがはやしたてます。

「番長? バンチョウ? バンチョウって何だか知ってるの?」

「あったりまえだっ! 知ってるさっ!」

「何のこと?」

「それはだな! 番をはってることよ。その大将っていう意味さっ!!」カンちゃんのお兄ちゃんは、思い掛けないきょこちゃんの質問に少々タジタジとして答えました。

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