第十二話『きょこちゃん、銭湯に行く』⑥

「こんな大人に愛った(あった)から」第十二話

きょこちゃんの「愛」たっぷりのストーリー。

もう一回お風呂屋さんへ・・・

「あーん! お母ちゃあーん! お姉ちゃんがおこってるぅ!」よっちゃんが戦場のように忙しいお店で奮闘しているお母さんに飛びつきました。

「あっ! 今はだめっ! 危ないから! あっちに行っていて、きょこちゃん! お姉ちゃんでしょ、泣かせないで見てあげられないのっ!! せっかくお風呂行ってきたのに、よっちゃん汗かいてるじゃない、拭いてから寝かせてね、お熱出るといけないから、わかった? きょこちゃん、わかったの?」

「はぁーい」きょこちゃんはよっちゃんを睨みつけながらお返事をしました。よっちゃんはまた泣きそうにベソをかき始めています。きょこちゃんは慌ててよっちゃんの口を手で押さえると、

「さ、お人形を寝かせてあげよう。」と、よっちゃんの気をそらせようとして言いました。

「あーん、よっちゃんの赤ちゃん、いない。お風呂に置いてきちゃったぁ。」

「あーあ、しょうがないなぁ! だめなお母さんねよっちゃんは。どこに置いてきちゃったの?」

「あんとぉ・・・・・・わかんない・・・・・・あーん、お姉ちゃん、よっちゃん、赤ちゃんがいないと寝られないーー。」

「わかった、わかった、みぃちゃんを寝かせたら、お姉ちゃんが取りに行ってきてあげるから、さ、お2階に行きましょ。」

 みぃちゃんを寝かせるときょこちゃんもぐったり疲れてしまいました。「よっちゃんも寝てね。」

「うん、でも、赤ちゃん探してきてくれる?」 「うん。」

「約束よ、ゆびきりしてぇ。」

「ゆびきりげんまん、うそついたら針千本の~ますぅ!」

よっぽど疲れていたのでしょう、よっちゃんはゆびきりの指をつないだまますぐに眠ってしまいました。ぱっちりとした目をつぶると、長いまつげがとても愛らしく、また、頼りなげに見えます。

 「今日はよっちゃんも湯あたりしたり、頑張ったもんね。それに、フルーツ牛乳1本飲めたもん、偉かったよね。」眠ったよっちゃんにきょこちゃんがそっと話しかけると、眠りの中で言葉を聞いているのでしょうか、つないだ指に力が入りましたがそれは一瞬のことで、しっかり眠りについたようです。

 きょこちゃんはゆっくり起き上がると約束通りお人形を探しに再び銭湯へ行くことにしました。

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