第十二話『きょこちゃん、銭湯に行く』⑤

「こんな大人に愛った(あった)から」第十二話

きょこちゃんの「愛」たっぷりのストーリー。

お風呂上りにまたしてもドッキリ!②

「ごちそうさま!!」 ようやくよっちゃんが飲み終わり、帰り支度を終えたきょこちゃんは、持ってきたバケツに脱いだ着物やタオル、バスタオルなどを入れ、風呂敷で包んだ荷物を持って下足に行きました。

 来た時に預けておいた履物を、木の鍵で入れ物からとり出して3人分並べます。

18cm、15cm、13cm 大・中・小のお靴を並べると仲良し3人組のように見えて嬉しくなります。

 「さぁ、お靴を履いて帰りましょ。」

試練の帰り道・・・・・・

 時計は8時になろうとしています。このまま帰ったらよっちゃんとみぃちゃんは寝る時間なので、2人は既に眠くなってきているらしく、しきりに目をこすっています。

来る時と違って水を含んで重くなった荷物を持って手がふさがっていますから、眠そうな妹たちをきょこちゃんは抱っこしてあげられません。

「さっ! がんばって、せっせと歩いてね。」でも暫くするとみぃちゃんがしゃがみ込んでしまいました。

「みぃちゃん、おりこうね、もうちょっと歩こうね。」

「・・・・・・。」 「ねっ? みぃちゃん!」

なんと!! みぃちゃんはしゃがみこんだまま、ウトウトし始めています。

「あーっ! しょうがないなぁ! よっちゃん、お荷物もって!」

「うん。」でもよっちゃんには持ち上がりません。仕方なくきょこちゃんはみぃちゃんをおんぶすると、後ろ手に荷物を持ちました。なんて歩きにくいことでしょう。

 何歩も進まないうちにきょこちゃんは汗びっしょりになってきました。それでも頑張って歩きましたがとうとう手がしびれてきました。

「ちょっと、ひと休みっ!」荷物とみぃちゃんを下に降ろしましたが、みぃちゃんは立っても眠っています。よっちゃんは・・・・・・?! よっちゃんはさっき歩き始めたところからちょっと前進したところでしゃがみ込んでいます。きょこちゃんは荷物と眠ったまま立っているみぃちゃんを置いてよっちゃんのところまで駆け戻ります。

「どおしたの?」

「よっちゃんもう歩けない。」

「お姉ちゃんさ、みぃちゃんとよっちゃんの2人はおんぶできないじゃない。よっちゃんはみぃちゃんのお姉ちゃんなんだから、頑張って歩いてくれなくちゃ。」「よっちゃん、みぃちゃんのお姉ちゃんじゃないって言ったでしょ。よっちゃんにもお姉ちゃんがお姉ちゃんだもん。」

「お姉ちゃんは、よっちゃんとみぃちゃんのお姉ちゃんだけど・・・・・・よっちゃんはみぃちゃんのお姉ちゃんなのよ。」

「やん! やん! お姉ちゃんがお姉ちゃんなんだってばぁ」

「おばか!! わからずや!!」

「やん! おこっちゃやあだ!!」

「怒らないから歩いてちょうだいよ。」

「やん! だめぇ! もう歩けない!」

「しょうがないなぁ・・・」きょこちゃんはよっちゃんをおんぶしてみぃちゃんの所まで戻ります。みぃちゃんは荷物にもたれて眠っています。ここからはどうしたらいいのでしょう?

「そうだっ! よっちゃん! 次の電信柱の所まで歩けたらみぃちゃんと交代しておぶってあげる。だからもうちょっと歩いて。」

「うん、次の電信柱まで?」

「そう、そう。」けれども、10歩も歩かないうちによっちゃんはしゃがんでしまいました。

「こらっ! 約束でしょ! はやくっ!」みぃちゃんをおぶって荷物を後ろ手に持っているので息をするのもやっとな程力を使い果たしているきょこちゃんは、ちょっとイライラしてよっちゃんを怒りました。

 でもよっちゃんを見ると肩で息をしています。よっちゃんは体力がないんだから気をつけてね、といつもお母さんに言われているのを思い出しました。

「あーあ、やんなっちゃう!」きょこちゃんは暫く歩いた所で荷物を降ろし、みぃちゃんをそこにもたれさせ、よっちゃんの所にもどり、よっちゃんをおんぶしてみぃちゃんの所まで連れてきて、よっちゃんを降ろし、またみぃちゃんをおぶって荷物を持ってを、繰り返すことにしました。何回目か繰り返した頃、よっちゃんがきょこちゃんの背中でメソメソし始めました。

「お姉ちゃん、おこってる?」 「・・・・・・。」

「ねぇ? お姉ちゃん、おこってる?」 「怒ってないっ!」

「やん! おこってる、お姉ちゃん、おこってるぅ。」

「怒ってないってばっ!」 「ほらっ! おこってる。」

「怒ってないってばっ!! そんなこと言うと落っことしちゃうからッ!」

「やぁーん。」

 汗をびっしょりかいて、きょこちゃんはようやく2人を無事に連れ帰りました。

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