第十二話『きょこちゃん、銭湯に行く』③

「こんな大人に愛った(あった)から」第十二話
きょこちゃんの「愛」たっぷりのストーリー。
よっちゃんダウン
「あ、ら、ららら・・・大変!!」
よっちゃんが湯船の中でのびてしまったのです。おばさんたちが慌てて飛んでいき、よっちゃんを抱き上げ脱衣場に連れていきました。きょこちゃんはみぃちゃんのシャンプーを切り上げるととなりのおばさんに「すいません、ちょっとお願いします。」慌てて脱衣場に出ていきました。
よっちゃんはおばさんたちに囲まれ、うちわであおいでもらっていました。
「はいっ! 冷たいおしぼり。頭を冷やして!」おばさんの1人が冷たいタオルを持って来てくれました。
「湯あたりだよ。」
「湯に浸かりすぎたんだねぇ。」
「よっちゃん、なんで・・・・・・。30数えてって言ったのに・・・・・・。」きょこちゃんの目に涙がにじんできます。
「ふぅっ! お姉ちゃん・・・・・・。」
「よっちゃん、・・・・・・大丈夫?」よっちゃんは数を数えるのに
1、2、3・・・9、10、1、2、3、・・・9、10、・・・・・・。」と10まで数えては1に戻っていたのですが、戻った回数を忘れて何度も10まで数えていたようで、湯船に長くつかりすぎ、のぼせてしまったらしいのです。
「おばちゃんたち、ごめんなさい。お姉ちゃんの言いつけをしっかり守らないといけないってよっちゃんはそう思っていたの。だから・・・・・・だから・・・・・・。」
「いいんだよぉ!! ただ、みんなが見ていて良かったねぇ。自宅のお風呂場だったら気付く人がいなかったかもしれないよ。」
「ほんとにねぇ!」口々に話すおばさんたちは本当にほっとした感じで笑顔がもどりました。
「はいっ! 下の妹さんだよ!」さっき頼んでおいたみぃちゃんを隣のおばさんが湯船であたためて連れてきてくれました。
「あいよっ! さぁ! こっちへおいで! 拭いたげるよ!」
きよみさんがバスタオルでみぃちゃんを包んでくれます。
「さぁ、きょこちゃん。安心してザァーッとお湯を浴びておいで。2人は着替えさせとくからねっ!」
「はぁーい! ありがとう!」
きょこちゃんはホッとして、浴場に戻りました。
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