第十二話『きょこちゃん、銭湯に行く』②

「こんな大人に愛った(あった)から」第十二話

きょこちゃんの「愛」たっぷりのストーリー。

お姉ちゃんだからお風呂屋さんでも大変

 4月の入学式の日は桜の入った桜湯にしてありますし、日によってよもぎの葉が入っていたり、ゆずや菖蒲の葉がはいった薬湯を作ってくれますから、家のお風呂より色々な行事やその意味を、お風呂の湯を通して教わることができていいナ、と思いました。

 きょこちゃんは、まずよっちゃんがお洋服を脱ぐのを手伝ってからみぃちゃんのお洋服を脱がせます。みぃちゃんはまだ自分で脱ぎ着ができないのです。あっ! そうそう、その前に2人をトイレに連れて行くことを忘れないようにしています。

 2人を脱がせ、それぞれのおもちゃを持たせてから少しの間に、きょこちゃんが素早く洋服を脱ぎ、きよみさんに教わったように3人のカゴにバスタオルをかぶせ、石けんやタオルの入ったバケツを持って浴場に入ります。

 入ったらまず身体をさっと流し、湯船に入ります。今は驚きませんが、初めて来た時はあまりの広さにびっくりしてしまいました。壁には一面富士山と海が描かれていて、タイル張りの「まるで・・・・・・まるで・・・・・・学校のプールみたい!!」よっちゃんもみぃちゃんも大喜び!!

 よっちゃんは自分のお人形さんを洗ってあげるのにたっぷり時間を使い、みぃちゃんは飽きずにジョーロで遊びます。その間にきょこちゃんは身体を洗いシャンプーを済ませます。今日まで数回来たのでだんだん勝手が分かってきました。最近では赤ちゃん連れの新米お母さんのために、お湯を汲んであげたりすることも出来るようになってきました。

 次によっちゃんのシャンプーですが、みぃちゃんも一緒にしたがるのでシャンプー剤は2人一緒につけて色々な髪型を作って鏡に映します。みぃちゃんがそれに熱中している間によっちゃんのシャンプー剤を洗い流さなければなりません。

「お耳をしっかり押さえて目をつぶってね。」5つの桶に汲んでおいたお湯を順にかけて洗い流します。この銭湯にはまだシャワーの設備がなかったのです。

「よっちゃん、ザァーッはいやっ!!」

「だめだめザァーッじゃないと! お姉ちゃんがだっこして洗ってあげるのには、よっちゃん、もう大きくなっちゃったんですもん。」

「よっちゃん、大きくなったの?」

「そうよ、よっちゃんはみぃちゃんのお姉ちゃんなんですからね。」そんな風に言うとよっちゃんも、しぶしぶザァーッと桶のお湯を頭からかぶるのを承知しました。よっちゃんが終わるとみぃちゃんです。

「よっちゃん、お風呂に入って肩まであたたまりなさい。」 「うん。」

「30数えるまであたたまらなくちゃダメよ。」 「うん。」

みぃちゃんはまだ小さいので、ザァーッはできません。5つの桶にお湯を取るときょこちゃんはみぃちゃんを上向きに抱き、寝かせて髪を洗い流し始めました。

「まぁ、お姉ちゃん、えらいねぇ!」隣のおばさんが桶を次々リレーして手伝ってくれました。4杯目のゆすぎの時、湯船の方で声が上がりました。

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