第十一話『きょこちゃんとシンデレラのお鍋』⑨ 完結

「こんな大人に愛った(あった)から」第十一話

きょこちゃんの「愛」たっぷりのストーリー。

社長さんからの贈り物

何日ぐらいたったでしょうか。ヤッチャンのお誕生日の近づいたある日、いつものようにきょこちゃんがお使いに行くと、食料品店のおじち・・・社長がニコニコしながら、奥から箱をかかえて出てきました。

「来た、来た、きょこちゃん。ほら、これ、これ、開けてみな。」

「わぁーっ!!」

なんて、なんてステキなんだろう!! 白いピカピカのホーローのお鍋!! かわいい

フタも取っ手もカタログ通り!! おまけに、もうひとつ片手鍋とおたままで入っていたのです。

「でも・・・でも・・・まだ、スタンプ渡していないし・・・全部貯まっていないわ。」

「ほらっ! これ読んでごらん。」

 

いつもGスタンプをご愛顧いただき、ありがとうございます。

お問い合わせの商品は、もう在庫がございませんでしたが、事情を伺いましたので、メーカーに問い合わせましたところ、サンプル用が一セット残っていました。もし、これがご希望のものでしたら、どうぞお使い下さい。

今後共、皆様に喜んでいただける景品揃えを心がけてまいります。

Gスタンプ

 

「わぁっ!! すっごい!! だんぜん、すっごい!!」

全部を読み終える前に、きょこちゃんは内容がわかったので、ピョンピョンはね回って、大喜び!!

「だから言ったでしょ? Gスタンプの社長さんにお話ししたらって!!」

(そのお手紙は、社長さんが書いて下さったのかどうかは、わかりませんでしたが―――)

「ちょっと待ってて」

きょこちゃんは、風のようにビューっと走って家にもどり、ビスケットのカンに貯めてあったGスタンプを持ってきました。

息をハァハァしながら、カンのフタを開け、おばちゃんと社長の前に置きました。

「―――250枚と11枚。これで全部です。残りは、後で貯めて渡します。」

厳粛な面持ちでスタンプを数えました。

「あっ、いいの、いいのよ、きょこちゃん。スタンプ、いいの。」

「えっ!! 何で?」

「在庫切れ景品見本を送ってくれたんだから・・・」

「えっ!! そんなのダメ!!!! だって、だって・・・シンデレラのお鍋は、きょこちゃんがスタンプ集めて・・・みんなと・・・」

「じゃ、こうしよう。Gスタンプさんにこのスタンプ送って、恵まれない子供たちに寄付してもらおう。なら、いいだろう?」

「はいっ。でもぉ・・・残りの、えーと89枚、おじち・・・じゃなくて社長さん、貸しておいて下さる?」

「うん、うん、いいともさ。」

ヤッチャンのお誕生日舞踏会

シンデレラの白いホーローのお鍋と、ヤッチャンのお誕生日舞踏会のお話はいろいろな人に伝わって・・・というか、きょこちゃんが話して回って・・・・・・、当日の夕方には薬局のおじちゃんとおばちゃんは、上等なお刺身を、裏のおばちゃんはカステラまんじゅうを、家に出入りの渡辺のおじちゃんは、「ケーキ!!」を、食料品店の社長さんとおばちゃんからは、お赤飯が届けられました。

きょこちゃんもヨウちゃんもフサ子ちゃんも嬉しくて、嬉しくて・・・。肝心なシンデレラのお鍋に、なぁんにも入れる物を考えていませんでしたが、お母さんがけんちん汁を入れてくれました。

さぁ!! 準備はすべてOK!! ヤッチャンがボール紙で作った王冠を取っちゃわないように気を配りながら、3人は(よっちゃんとみぃちゃんと)2人の王女と一緒に、何回も練習した優雅なごあいさつで、みなさんをお迎えしました。フルーツ牛乳を持ってきて下さった、お菓子屋のおばちゃんに、(フルーツ牛乳!! に王子と王女達は、熱中していました。)

「あら、舞踏会だって言うけれど、踊りはないの?」
と聞かれるまで、3人とも舞踏会は踊りの会だなんて思っていなかったことを知りました。

「ぶどう会」という名前だと思っていたのです。

「いいもん!! きょこちゃんが舞踏会をして見せます!!」

「だぁれもいないと思っていても、どこかで、どこかでエンジェルが、ちゃんと、ちゃんとちゃんと、ちゃんと見てるのよ。ピポピポ。」

―――この踊りは後日、きょこちゃんのかくし芸として大人気になりました。3人のシンデレラ達は、大いに食べたり、笑ったり―――。

フサ子ちゃんは、「ブチャコのパクッと一口」を何回も何回もやっていて、結局シンデレラの優雅な―――は、忘れてしまったらしいのですが・・・。

ヤッチャンの手を気味悪いっていう人は、もうどこにもいなくなっていました。

みんなヤッチャンのお手てにチュッ、チュッとしたりして、とっても嬉しそう!!

(みんな、みんな、このシンデレラのお鍋の魔法かもしれない。)

―――きょこちゃんは嬉しさが込み上げてくるのを感じながら、白いホーローのお鍋を見つめていたのでした。

 

おわり

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