第十一話『きょこちゃんとシンデレラのお鍋』⑧

「こんな大人に愛った(あった)から」第十一話

きょこちゃんの「愛」たっぷりのストーリー。

シンデレラのお鍋

「ねぇ、ねぇ。このお鍋みて!! みて!! シンデレラの絵に出ている、この白い長いテーブルにのってるのと似てるじゃない? きっと、こういうお鍋からごちそうをよそうのよ!!」

テーブルの上に描かれている他のごちそう―――鳥の丸焼きや大きなケーキやフルーツ盛り合わせは、とうてい買えそうになかったけど―――

「このお鍋に何か入れて、1人1人に優雅に配ったら、シンデレラのようになれるじゃない!! 真っ白なきれいなこのお鍋でね。フサ子ちゃんだって、ブチャコじゃなくお姫さまになれる!!」

「うーん、そうかなぁ。」

「そーよ、そーよ。だんぜん、ヒラメイちゃった!!」

「このお鍋、シンデレラになるこのお鍋・・・、あっ、スタンプ3ページ半・・・・・・えーと、350枚!! わぁっ!! ねぇねぇ、みんなでスタンプ集めてこのお鍋をもらいましょ?」

「えっー!! どうやってさ!!」

「そんなのムリ!! ムリ!!」

「いいえ、だいじょうぶ!! きょこちゃんには、とってもいい考えがあるの。」

「あたい、やだ!! そんな鍋、どうせもらえっこないもん!! それにブチャコなんか治んないよっ!!」

「あらっ、だいじょうぶよ!! だいじょうぶ!! きっともらって、ヤッチャンのお誕生日舞踏会を開きます!! そして、フサ子ちゃんもヨウちゃんもワタシもシンデレラになります。」

「あん、そんなら鍋をもらったら、やるよ!!」

「いいわよ!! きょこちゃん1人でも、きっとお鍋もらうから。そしたら、みんなでヤッチャンのお誕生日舞踏会を必ず開きましょうね。お約束よっ!! そしたら、シンデレラのようにお姫さまらしく暮らしましょうね。」

きょこちゃん、大はりきり

それからは、毎日学校が終わると、きょこちゃんは、ご近所のお家のお買物お手伝いに出かけるようになりました。フサ子ちゃんとヨウちゃんは、よっちゃん、みぃちゃん、やっちゃんのお子守りです。

隣の薬屋さんはとってもはやっているので、いつもお肉の特上とか上等のお刺身をお使いさせてくれました。

「おだちん、Gスタンプだけで、ホントにいいの?」

「はいっ!! また明日も、お使いお願いして下さい!!」

裏のおばちゃんは、お菓子屋さんとパン屋さんと食料品屋さんへのお使いを毎日させてくれました。

そんなある日、食料品屋さんのおじさんから、

「はい、きょこちゃん。新しいカタログだよ。」
と手渡されたのが、白いホーローのお鍋の載っていない(シンデレラのお鍋の載っていない!!)カタログだったのです!!

新しいカタログじゃ、困るの

(新しいカタログのこのお鍋もピカピカしていて、きれいには違いないけど、だんぜん!!あの白いホーローのお鍋が、シンデレラのお鍋よ!!)

学校が終わってから、きょこちゃんは食料品店に行きました。シンデレラの白いホーローのお鍋の載っているカタログも持って行きました。

「おじちゃん、あのね。もうちょっとでこのお鍋がもらえるのに、新しいカタログにかわっちゃったでしょ。もう、このお鍋載っていないんだけど、新しいカタログには・・・。」

「うーんと、そうさなぁ。うちは取次ぎ所だから、詳しいことわかんないけど―――、もう、そのホーローの鍋は、景品じゃなくなったんだろ・・・。」

「それは困るんです。どうしても、どうしても、このホーローのお鍋がいいんですもの!!」

思わずきょこちゃんは、一生懸命になって、手をもみしぼって大声を出していました。

「まあ、まあ、社長。ちょっと、きょこちゃんの言い分を聞こうじゃないか。どおれ、話してごらん。」

おばちゃん―――社長の奥さん―――は、最近呼ぶようになった、流行りの社長というところに力を入れて聞いてくれました。

「―――というわけで、どうしてもあのシンデレラのお鍋がほしいの。」

「ふぅー」

今までのちょっと長いいきさつをいつの間にか、お客さんまで一緒に聞いていました。

「何とかできないの?」
―――と知らないおばさんが言いました。

「あちらさんが、決めたことだからねぇ。」

「ねぇ、Gスタンプの社長さんに、頼んでみたらどうかしら? ねぇ? おじ・・・じゃなく・・・社長!!」

「Gスタンプの社長にかい?」

「そう、そう。」

満場一致でおじちゃん―――社長が、Gスタンプの社長さんに頼んでみることに決まってしまいました。

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