第十一話『きょこちゃんとシンデレラのお鍋』⑦

「こんな大人に愛った(あった)から」第十一話

きょこちゃんの「愛」たっぷりのストーリー。

「シンデレラ」のお話

後日、フサ子ちゃんにこのいきさつをお話しました。

「だから、今日これから2人もくるのよ。」

フサ子ちゃんは、

「じゃ、おやつはどおすんのさ。」

「ちょっと少なくなるけど、何とかなるわよ。分けっこしましょよねぇ。」

「あんたみたいな、考えなしのノータリン見たことない。あたいの取り分減るじゃない!!トンマだねぇ。」

ふさこちゃんは、あまり嬉しそうじゃありませんでした。あとから来たヨウちゃんにも、ブスっとしていました。でも、ヤッチャンには、みぃちゃん同様、「ブチャコがパクッと一口」をやって大いにうけて、きょこちゃんはホッとしました。

そんなある日、みんなが集まってきょこちゃんがいつものように、お話を読んで聞かせていました。今日のお話は「シンデレラ」です。

みぃちゃんとヤッチャンは、お部屋の真ん中、Gスタンプのカタログで遊んでいました。

(「アーヤン、アーヤン」と時々、何かの写真を指さしながら・・・。言葉ができなくても、赤ちゃん同士の会話はできているみたいです。)

「シンデレラは、いじわるな継母(ままはは)とまま姉2人と、みじめな暮らしをしていました。

『お前みたいなできそこないは、生まれて来なきゃよかったんだ』

と、いつも3人からいじわるされ、こき使われていました・・・・・・。毎日毎日すすで真っ黒のお鍋をゴシゴシ洗ったり、床をみがいたりしていました。」

「うちのママも時々、ヤッチャンにそう言う。」
―――とヨウちゃん。

「うちの父ちゃんだって!!」
―――とフサ子ちゃん。

「―――妖精の教母様から魔法をかけられて、シンデレラはススかぶりのきたない娘から、キレイなお姫さまに変身。カボチャがステキな馬車になって、王子さまのお誕生日の大舞踏会へと連れて行ってくれました。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――。

シンデレラは、王子さまとずーっと幸せに暮らしました。」

ヤッチャンを王子に

「ふぅーん。お伽話っていいよねぇ。乞食が王子になったり、すすかぶり娘がお姫さまになったりさ。」

「で、継母(ままはは)とまま姉達は、どうなったのかねぇ?」

「あらっ、決まってるじゃない。シンデレラが王子さまと結婚して、王妃さまになっちゃったでしょ?
すすのついたお鍋をゴシゴシ洗ったり床をお掃除する人が、いなくなっちゃったわけじゃない。きっと、あのあと3人ともずーっと、お鍋をゴシゴシ洗ったり、床をみがいたりして、暮らしたんじゃない?」

「ふぅーん、そっか!!」

「さっき、ヨウちゃんが言ってたことだけどね。ヨウちゃんは、ヤッチャン生まれなかったらよかったって、思ってないわよね?」

「うーん、オムツかえたり、けっこう大変だけど・・・ヤッチャンが生まれる前は、1人で夜、ママを待ってたけどさ、ヤッチャンが生まれてからは、いっつも一緒だからさ、いた方がいいかナ。」

「そうよ。そうよ。」
(あっ! ヒラメイた!!)

「ねぇ、もうすぐヤッチャンのお誕生日がくるでしょ?」

「うん。あと2ヶ月・・・と―――」

「ヤッチャンのお誕生日舞踏会をしない? シンデレラの王子さまみたいに!!」

「へぇーっ!!」

「ヤッチャンが生まれてきた事、すんごくよかったねってみんなでお祝いするのよ。」

(誰が何て言ったって、ホントにそうですもん)
ヤッチャンのまぁるい、かわいい眼を見て、きょこちゃんは決意が固まるのを感じました。

「でもさ、どうやって?」

「うーんとね。ヒラメケ! ヒラメケ!」

その時、目に入ったのが、みぃちゃんの遊んでいたGスタンプのカタログ!! ちょうど、白いホーローのお鍋をさして、みぃちゃんが「アーヤン、アーヤン」とヤッチャンに何かお話ししている時でした。

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