第十一話『きょこちゃんとシンデレラのお鍋』④

「こんな大人に愛った(あった)から」第十一話

きょこちゃんの「愛」たっぷりのストーリー。

お友達の作文

それから1週間。滝田さんは、誰とも口をききません。国語の時間に、

「お友達の事を作文にしてみましょう。」と先生が仰いました。次の時間に、1人ずつ読むことになりました。

「俺の友達はヒーちゃんだ。ヒーちゃんは勉強が嫌いで俺も嫌いだ。」
―――ストウ君

「俺の家は、―――汽車だ。俺の家にわぁステキと、来るやつがいる。ばーちゃんや、かーちゃんが大喜びで油でいもを揚げた。屁が出て困るから、もう来ないでほしい。」
―――千原君

「あらっ、通り道なんですもん。」と口をとがらせる、きょこちゃん。次々にみんなが読んでいって、

「今度はきょこちゃん、どうぞ。」

「はい!」

「私には、お父さんとお母さんがいます。足すと2にんです。滝田さんは、お母さんがいないで、お父さん1人だけだと、みんなが言っています。1にんです。
2と1は、1しかちがわないので、だいたいおんなじです。だから、きょこちゃんも滝田さんも、ほとんどコジみたいなものだと思います。だから、仲良しになりたいです。」

みんなクスクス笑ったみたいですが、きょこちゃんは平っちゃらでした。

「はい。次、滝田さん。」

「はぃ。」

「このまえ・・・図工の時・・・画用紙をもらったけど、やぶらなけりゃよかった。

おしまい・・・」

滝田さんは、小さな声でそれだけ読むと、顔を真っ赤にして座りました。

きょこちゃんは、嬉しくて嬉しくて、滝田さんをギュッとしてしまいました。

その日から、毎日2人は一緒に、きょこちゃんの家に帰るようになりました。滝田さんのお父さんはテキヤさんなので、いつもお留守だからです。滝田さんはとても乱暴で、ガツガツ食べたり、しかめっ面をするので、イヤだナと思うこともあるのですが、きょこちゃんの妹のよっちゃんやみぃちゃんには、決して乱暴なことをしません。ほんとはやさしい子なんだわ、ときょこちゃんは思うのです。

1ヶ月もすると2人は、「フサ子ちゃん」、「きょこちゃん」と呼び合うようになりました。

フサ子ちゃんのお髪は、よく洗ってとかすとホントはサラサラでした。

みんなでおやつ

フサ子ちゃんが家に寄るようになって、変わったことといえば、
―――おやつです。

きょこちゃんは、以前から給食のパンにおかずをはさんで、5才のよっちゃんと2才のみぃちゃんに持って帰っていました。それを3等分して、おやつにしていたのです。

今では、それが4等分になりました。それを森永ミルクココアと一緒にいただきます。

お母さんは、お店で忙しかったので、2人の妹はそれをとっても楽しみにしていました。

「いただきます。」

今では、フサ子ちゃんも一緒に「いただきます」をしています。

でも・・・お皿にきちんと分けたおやつを、フサ子ちゃんはたった一口で、パクッと食べてしまうのです。食べるのが遅いよっちゃんは、大っきな目をパチクリして、びっくり顔。

誰のことでも、何のことでも、

「アーヤン」としか言わないみぃちゃんは、

「アーヤン、アーヤン」と手をたたいて大喜び。続けて、きょこちゃんのお皿の分も、手を伸ばしてパクリ!! 

またまた、「アーヤン! アーヤン!」と大喜び。

おやつの時間は、とっても賑やかになりました。

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