第十一話『きょこちゃんとシンデレラのお鍋』②

「こんな大人に愛った(あった)から」第十一話

きょこちゃんの「愛」たっぷりのストーリー。

消しゴム、コロコロ。筆箱、ガシャーン

2時間目の授業中。コロコロコロと、きょこちゃんがうっかり消しゴムを落としてしまいました。

すると!!

クラス中、あっちでもこっちでも、コロコロコロ、消しゴムが転がり落ちます。

びっくりしたきょこちゃんは、今度は筆箱ごと落っことしてしまいました。

ガッシャーン!!

「わぁっ!! ごめんなさい」

ガッシャーン、ガッシャーン、ガッシャーン

続けていくつかの筆箱も落ちたみたいです。

先生が教科書を読むのを止めて、じーっとクラス中を見回しました。

「転校生が落っことしたんでーす。」

誰かが言いました。先生は、何にも仰らず、まだみんなのお顔を見ています。

「あのぅ、あのぅ・・・きょこちゃんね、手がすべって・・・ごめんなさい・・・!!」

何か言わなくてはと思って、きょこちゃんがおずおず立ち上がって言いました。

「きょこちゃんは、間違って落っことしたのね。分かりました。でも後のみんなは?」

なんだか先生は、怒っているみたいです。それも、とっても!!

ずいぶんの間、クラス中シーンとなってしまいました。

「きょこちゃん以外の人は、どうして筆箱落っことしたんでしょう?」

先生は、とっても悲しそうなお顔にも見えました。

「あのぅ、きょこちゃんが間違って落っことしちゃったでしょ。だもんで・・・みんなは、きょこちゃんを助けてくれたんだと思うんです。」

だあれも何にも言わないので、とうとう我慢できず、きょこちゃんはまた立ち上がって言いました。

「助けた?」

「そうなんです。きょこちゃん1人だけ筆箱落っことしたら、恥ずかしいでしょ。だから、みんなも落っことして、恥ずかしいのをうすめてくれたんです!!」

話しているうちに、きょこちゃんは自分の話に自信が持ててきて、最後の言葉はきっぱり言えました。

「そう・・・それならいいことね。きょこちゃんは新しいお仲間の事、そう思うのね?」

「はぁーい!」

翌日から、元気よく学校に通い始めました。昨日、お母さんは校門で心配そうに、きょこちゃんを待っていてくれたのですが、

「大丈夫だったわよ、お母ちゃん。きょこちゃんのこと、だぁれもへんな子なんて言わなかったもん。それに、みーんなきょこちゃんの真似してくれて、すんごく人気もんになっちゃってるの、だんぜん!! ここの学校、気に入っちゃった!!」

嬉しそうなきょこちゃんの言葉に、

「ふぅーっ」
とお母さんは、息をはきました。お母さんは、きょこちゃんをちょっとふつうの子と違うように感じていて、転校して新しい学校で皆と上手くやっていけるかとっても心配していたのです。

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