「本気で美しくなりたい人」「健やかな身体でいたい人」の願いを叶えるために、きょこちゃん(京子センセイ)が普段からされているお話を中心に、お伝えしていきます。 京子センセイご自身が執筆された書籍の一部に加え、ご自身の長年の研究に基づく健康法や美容法、食事のレシピなどもお伝えしていく予定です。
スポンサーリンク

第七話『きょこちゃん、田舎に行く』⑨

「こんな大人に愛った(あった)から」第七話

きょこちゃんの「愛」たっぷりのストーリー。

きょこちゃん、ダンスでおもてなし

その明日がやってきてきょこちゃんはウキウキです。夕方早めにお風呂から上がると、お着物を着せてもらってみんなを待っていました。

来ました、来ました。夕食が終わって仁作さんの一家は全員、もちろん孫の少女2人も一緒に来てくれました。おまけにそのことを聞いた村のもと小作農家だった人たちも大勢集まってきました。

ところが!! みんなは玄関から中へは一歩も入りません。庭の縁台のところに座って、ここで充分です、と口々に言っているのです。

昔の序列を守る老人たちがいるので、若い人や子供たちも“お頭の家”には上がれないのでしょう。

「困ったね・・・・・・」

と言いながらおばさんは蚊取り線香とたいて、大きなお盆に小豆の煮たのを入れたお椀をのせて振る舞いました。

きょこちゃんは縁側の上からその様子を見てせっかくみんながこうして来てくれたのに、お外で夕涼みだけじゃ可愛そうと思っていました。

「ねぇ、お坊、2人でダンスを踊って見せない?」

「な、なんだとぉ!! ヤなことやらペンペンだっ!!」

お坊と2人でダンスをして見せたらみんなを喜ばせることができるからと思ったのに、お坊は奥の方へ逃げてしまいました。

もう!! こうなったらしようがない!! きょこちゃんは縁側の真ん中に座り直しました。

「みなさんコンバンワ!!」

お宮の演芸会で見た踊り手さんの真似をしてみんなをもてなそうと考えたのです。

「これからきょこちゃんがうさぎのダンスを踊ります!」

みんなこっちを見ています。

 

ソ、ソ、ラ、ソラソラ、うさぎのダンス♪

とんではねはね、ラッタラッタおどる

耳にかんざしラッタラッタラッタラ~

セリフ・・(クローバーだと思って落花生食べちゃったの)

お豆たべたべラッタラッタラッタラ~

 

きょこちゃんが歌いながら踊り終えると、みんなとても嬉しそうに拍手をしてくれました。女の子たちも後ろに隠れていないで一番前に出てきていました。

「きょこちゃんアンコール!!」

正男お兄ちゃんと加代子お姉ちゃんが言いました。

「では次はエンゼルをやります!!」

 

だあれもいないと思っていたら

どこかでどこかでエンジェルが~

ちゃんとちゃんとちゃんとちゃんとみてたのねぇ~

セリフ・・(落花生をとっちゃってごめんなさい)

ピポピポ

 

今度は全員大笑い!! 仁作おじいさんもにこにこ顔で手をたたいていました。その夜以降は嬉しいことに村のどこで誰に会っても「きょこちゃんコンニチワ」と、声をかけてもらえるようになりましたし、少女たちとも毎日遊んでもらえるようになりました。

こっそり、秘密のおしごと

きょこちゃんが女の子たちと遊ぶようになってびっくりしたのは、田舎の子供たちがとてもよく働くことでした。お風呂の焚付け木を取りに行ったり、よその赤ちゃんの子守りをしたり、お蚕さんに桑の葉を食べさせたり、畑の草取りをしたり、遊ぶ時間を見つけるのが大変なくらいなのです。

そんなある日のこと、きょこちゃんはいいことを思いつきました。おばさんが土間の真ん中にある板戸を開けて室(むろ)を見せてくれた時にピーンとひらめいたのです。

(きょこちゃんだって田舎の子たちに負けないくらい働いておばさんたちを喜ばせてあげよう!!)

室(むろ)にはジャガイモや小豆など、長く保存しておく野菜が入れてあります。道具はすべて納屋の壁にかけてあるのを知っていましたから、みんなが出かけるが早いかきょこちゃんはひらめいたことを始めました。

まずは室(むろ)からジャガイモをもてるだけ持ち出して、井戸でよく洗いました。次にタライをうんしょ、うんしょ、と引っ張ってきてその中に布の袋を広げました。そこにおろし金を置いてジャガイモをすりおろし始めました。2つほどすっては持ち上げ、バケツの中にギュッとジャガイモの汁をためました。

見ていた時は楽しそうでしたが、どうしてどうして、骨の折れる作業です。おろし金でジャガイモをおろすには、なかなか力が要るので、思い切りジャガイモをすっているうちにきょこちゃんは手まですったりしてしまいましたが、へこたれたりしませんでした。

汗をかきかきせっせとバケツに汁をためながら、みんながどんなに喜んでくれるだろうと想像してニコニコしていました。

お昼のサイレンが鳴る頃、ようやくバケツの上ずみ液を流すことができ、下に沈んでいた白い粉を人に見つからないよう裏庭の縁台に広げて干しました。

そうです、きょこちゃんは本家で見た片栗粉作りを1人でやってのけようとしていたのです。来る日も来る日もきょこちゃんは1人だけ秘密をもって作業を続け、できあがった片栗粉をこっそり納屋に隠していました。

5日目とうとう室(むろ)にあったジャガイモは全部片栗粉になっていました。カスはどうしたと思います? 本家のおばさんの言ったことをちゃんと覚えていて、ヤギとニワトリとうさぎに毎日せっせとあげていたんです。

ヤギの乳搾りと卵集めを毎朝の日課としているお坊が

「ヤギがめた(たくさん)ミルク出すなぁ」

「ニワトリがでっかい玉子産むなぁ」

と不思議に思っている他は、誰もそのことに気付きませんでした。

メニューを閉じる