「本気で美しくなりたい人」「健やかな身体でいたい人」の願いを叶えるために、きょこちゃん(京子センセイ)が普段からされているお話を中心に、お伝えしていきます。 京子センセイご自身が執筆された書籍の一部に加え、ご自身の長年の研究に基づく健康法や美容法、食事のレシピなどもお伝えしていく予定です。
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第七話『きょこちゃん、田舎に行く』④

「こんな大人に愛った(あった)から」第七話

きょこちゃんの「愛」たっぷりのストーリー。

本家に1泊、を決心!

お墓は家の裏の桑畑の上にありました。

(この辺りは昔から桑の木を育てて蚕を飼う養蚕が盛んな地です。)

お墓にはお母ちゃんのお父さんとお母さん、おじいさんとおばあさん、そのまたお父さんとお母さん・・・・・・といった先祖代々の大きなお墓と、子供のころに亡くなった人たちのお墓が並んで建っていました。

お姉ちゃんと2人でお線香をあげて手を合わせていると、カナカナカナカナ・・・・・・どこかで蝉が鳴いています。夕暮れがもう近いのでしょう。

「お姉ちゃん、きょこちゃん今夜ここにお泊りする。だから明日必ずお迎えに来てくれる?」

きょこちゃんはお母さんのご先祖様にお参りをしていたら、ここに全然泊まらないでおばさん家(ち)に行ってしまうことが何か悪いことのように思えてきたので、心を決めてお姉ちゃんに言いました。

おねえちゃんも同じように感じていたのでしょう。ほっとした表情できょこちゃんの手をとり一緒にお墓から下りて来ました。

「おやおや、帰ってきたかい。すぐに夕げの支度をするから、加代子も食べて行きなさい。」

「ありがとうございます。でもおばさん、私は家に帰って食事を作ることになっているのでこれで失礼させてください。それから、きょこちゃんは・・・・・・。」

「きょこちゃんは、飽きるだけ泊まらせとくよ」

「・・・・・・・・・・・・」

「きょこちゃんは明日の夕方私が勤めの帰りに連れに寄りますので・・・・・・。」

「まぁ、今決めなくても、きょこちゃんが泊まるといったら泊めとくから、有線で知らせるよ。」

そんな訳できょこちゃんは本家にお泊まりすることになってしまいました。

お手伝い、ぜ~んぶ一生懸命やります!

お姉ちゃんが坂道を下って行く姿を見えなくなるまで見送ってから、きょこちゃんが家に入ると、おばさんは鼻歌を歌いながらお台所で夕げのお支度をしていました。

「おばさん、きょこちゃんに何かお手伝いさせてくださいナ。」

「あらまっ、えらい子だねぇ、きょこちゃんは。それじゃぁね、テーブルをふいてくれるかい?」

「はいっ!」

どうせお泊まりするんですもの、たとえ1泊だけでも、一生懸命お手伝いしようと決めました。

囲炉裏にかかった大きな鉄鍋がグツグツ煮立つころおじさんと男の子たちが帰ってきました。

「コンニチワ」

おじさんは「うむ」と、うなづいただけでしたが、男の子たちは少し恥ずかしそうに、ニコニコもじもじしていました。

「風呂!」

おじさんがそう言うとおばさんが1番上の男の子に急いでお風呂を見に行かせました。

「わいてるよっ!」 

「ああ」おじさんが立ち上がります。

「あのぉ、おじさん、きょこちゃん、お背中流しましょうか?」

「うむ」おじさんがうなづいたのできょこちゃんも一緒にお風呂場に行きました。本家のお風呂は暗い台所よりもっと暗くて半分外にありました。半分は台所の隣でもう半分は外の石垣になっています。

薪で焚くのでとってもいいにおいなのですが、いろいろな虫も集まってくるので電気がつけられません。その晩は月明かりの明るい夜だったので、台所からもれる光とお月さまの光で入りました。(いなかのお風呂ってずいぶん怖いのねぇ)ときょこちゃんは思いました。というのも以前石垣からヘビが出てきたと聞いたことがあったし、周囲がぼんやりとしか見えないくらいほの暗かったからです。

おじさんはお風呂でもふんどしをつけていました。人に身体を洗ってもらっていた時の名残りなのだと前に聞いていました。きょこちゃんは随分いろいろな田舎の家のお話しを、お母さんから聞いて知っていたのです。

「お背中を洗います!!」

きょこちゃんは元気よく本家の庭でとれたヘチマの大きなのを持っておじさんの背中をこすり始めました。

「おいっ! もっと力を入れてっ!」 

「はいっ!」

「都会っ児は力がなくていかん!」 

「はいっ!」

きょこちゃんは思いっきり力を込めてゴシゴシおじさんの背中をこすりました。

「どぉ?」 

「まだまだ、力が足らん!!」 

「はいっ!!」

ゴシゴシゴシゴシゴシ!! 随分と長い時間こすりました。もう手が動かなくなりそうになった時、

「よおし! もういいぞっ!!」

おじさんから終わりが告げられました。

「はいっ!」

きょこちゃんは全身汗びっしょりになっていましたが、やり遂げられたことがとっても満足でした。

汗を拭いて今度はおばさんのお手伝いをしに台所へ。そこへおじさんがお風呂からあがってきました。

「おおっ! おとっちゃん、どうしたの? その背中。真っ赤だよ。」

1番下の男の子が言いました。おじさんは作務衣の下だけを着て上半身は裸でした。

「おいっ! あおげや!」

おじさんがうながすと男の子たちは代わりばんこにうちわでおじさんを仰ぎます。ようやく汗がひいたので、おばさんが作務衣の上着をはおらせようとしました。

「いっ!!」 

「おやまあ。」

おばさんはそう言うとおじさんの背中越しにきょこちゃんの方を見てにっこりしました。

「いただきまーす。」

ようやく夕げになりました。おじさんがビールをおいしそうに飲み干すと

「どうやら意地っ張りの血統らしい。」

とぼそっと言ってきょこちゃんの方を見てニヤッとしました。きょこちゃんはくたびれ果ててもう眠くて眠くてお食事どころではないのに、お箸を持ったままコックリコックリと居眠りをしていたからです。

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