「本気で美しくなりたい人」「健やかな身体でいたい人」の願いを叶えるために、きょこちゃん(京子センセイ)が普段からされているお話を中心に、お伝えしていきます。 京子センセイご自身が執筆された書籍の一部に加え、ご自身の長年の研究に基づく健康法や美容法、食事のレシピなどもお伝えしていく予定です。

第六話『きょこちゃん、大学に行く』③

「こんな大人に愛った(あった)から」第六話

きょこちゃんの「愛」たっぷりのストーリー。

難しい悩み

 「あのね、お母ちゃん。ず~っと前に豚屋のおばさんも死んじゃったでしょ? そのおばちゃんのことだけどね・・・」

「ことだけどね・・・」

「まねっこしないでっ!!」

「まねっこしないでっ!!」

思ったより大泣きや大騒ぎにならず無事にピョーコの埋葬が終わり、やれやれと感じていたお母さんはきょこちゃんの質問が始まったので内心ドキンとしました。

「死んだと言わずに、亡くなったと言うんですよ。」

そうたしなめながらもきょこちゃんの真剣な目付きに難問かもしれないと感じていました。

「亡くなった豚屋のおばちゃんも眠ったまま穴にうめちゃったの?」

「うめちゃったの?」

「もおぅ!!」

「もおぅ!!」

お母さんはよく考えながら答えました。

「豚屋のおばさんは亡くなったのよ。眠っていたわけじゃないから目を覚ましたりしないし、土に埋める前にお骨(こつ)にしてるから何も感じないのよ。だから、平気なの。」

「ふ~ん・・・?! お骨ってなぁに?」 

「なぁ~に?」

お母さんは困ったなと思いましたが嘘をつけないので本当のことを話しました。

「人はね、亡くなると火葬といって火で燃やして骨にしてそれから埋めるのよ。ほら、田舎にお墓参りしたでしょ?! ああいうお墓の下に埋めるのよ。」

「えぇっ!? 燃やしちゃうの? ホントにホントウ?」

「ホントウ?」

「熱くないの?」 

「ないの?」

「熱いもんですか、だって亡くなっているんですからね。亡くなるってこと、つまり死ぬってことは、何も感じないし何も動かなくなることなのよ。」

「きょこちゃんやぁだ!! 死んじゃうのぜぇ~ったい、いや!! 感じなくったって燃やされるの、いやっ!!」

「いやっ!!」

「誰だって必ず死ぬんですもの、心配しなくたって大丈夫よ。」

お母さんはどう説明したらいいのかわからず、少し困っていました。

心配のタネがいっぱい

「誰だって死ぬのぉ?」

「のぉ?」

よっちゃんは、難しい言葉はとばして語尾だけ真似っこして言います。

「そうよ、どんなに偉い人だって、どういう人だって、必ず死ぬのよ。」

「きょこちゃんも死ぬの?」

「のぉ?」

「そうよ、ただね、年をとってから、もっとず~っと先のことだから心配しなくたって大丈夫よ。」

「ず~っと先って、いつ?」

「いつぅ?」

「ず~っと先ですってば。先のことだから誰にもいつなんて分からないの。」

「いつかわからないの?」

「ないの?」

「じゃぁ・・・よっちゃんもず~っと先で、いつかわからないけど、死んじゃうの?」

「そうよ。」

「お母ちゃんは?」

「私だっていつかは死ぬわよ。」

「だめっ!! だめっ!! お母ちゃんはずーっと死んじゃダメッ!!」

「そんなこと言ったって・・・・・・。でもずーっと先のことですもの、今から心配しなくていいじゃない。」

きょこちゃんは、どんどん真剣な目付きになってしまいました。お母さんはますます困った気持ちでしたが、よっちゃんが真似っこに飽きて眠ってしまったので、ヨイショと抱き上げ、

「さぁ、つまんないこと心配してないで、よっちゃんをお布団に寝かせましょ。」

「ねぇ、よっちゃん、死んじゃってないわよね?」

一瞬お母さんはギクッとしましたが、よっちゃんをもう1度抱き直し、よっちゃんに頬ずりして寝息を確かめながら言いました。

「変なこと言わないで、よっちゃんは眠っているだけよ。さぁ、きょこちゃんも疲れたでしょ? 一緒にお昼寝しましょうね。」

「いやっ!! きょこちゃん寝ませんっ!! ねむっている間に死んじゃったらやですもん。お母ちゃんお願い、もしも、きょこちゃんが眠ったまま起きなくても燃やしちゃったり穴に埋めちゃったりしないで!!」

「大丈夫、大丈夫、眠っているのと、死んでいるのとは違いますからね。そんな嫌なこと心配しちゃダメよ。」

お母さんは仕事に戻って行きましたが、きょこちゃんはお昼寝どころではありませんでした。いつ死んでしまうか分からないのにうっかり眠るなんてできっこないことと考えていました。

夜になってお父さんが帰ってきました。

「ねぇ、お父ちゃん、いつか死んじゃうの?」

「へっ?!」

「いつか年をとってから死んじゃう?」

「そうさなぁ・・・。」

「ねぇ、死んじゃう?」

「そりゃぁ、いつかはな。」

 八郎おじちゃんや職人さんたちも帰ってきました。きょこちゃんは全員に同じ質問をし、皆からは異口同音な答えをもらいました。

(みーんないつか死んじゃうんだわ!! どおしよう!! でも・・・でも・・・どうしてみんな死んじゃうって分かってるのに平気なんだろう・・・・・・。)

 きょこちゃんが不思議に思うのも無理ありません。みんなはいつか死ぬことを知っていると言いながら平気なお顔でご飯を食べ始めていたのですから・・・。

「きょこちゃん食べたくない。」

「暑いところで遊び過ぎたんじゃないか?」

と、お父さん。

「姉さん、きょこセンセイ今度は何に熱中し始めたんだい?」

お母さんにそう話しかけたのはお母さんの弟の八郎おじちゃんです。八郎おじちゃんは夜間大学生の時からきょこちゃん家(ち)にいて、いつもきょこちゃんが問題を起こす度に面白がっていました。

それに答えてお母さんは、ヒヨコが死んでからの話をしました。

皆が「ふぅっ」とため息をつき黙ってお食事を続けました。

その日からきょこちゃんは会う人ごとに

「死んじゃうって知ってる?」

と聞いては、誰もがいつか死ぬって分かっているのに平気なお顔で暮らしていられる訳を知りたがりました。

そして、いつか自分が死んで燃やされることやよっちゃんやお父さんやお母さん、八郎おじちゃん、材木屋のおじちゃん、などなど、きょこちゃんの知っている人みーんなが死んでしまうんじゃないかと心配をつのらせていました。

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