「本気で美しくなりたい人」「健やかな身体でいたい人」の願いを叶えるために、きょこちゃん(京子センセイ)が普段からされているお話を中心に、お伝えしていきます。 京子センセイご自身が執筆された書籍の一部に加え、ご自身の長年の研究に基づく健康法や美容法、食事のレシピなどもお伝えしていく予定です。
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第六話『きょこちゃん、大学に行く』①

「こんな大人に愛った(あった)から」第六話

きょこちゃんの「愛」たっぷりのストーリー。

出口なしのおっきな悩み

 ここのところきょこちゃんは元気がありません。完全にショゲちゃっているので家の人も近所の人も声をかけることすらできず、時折心配げに顔を見ては首を横に振り合うばかりです。

 何故ならそれは、夜も眠れず、食事も満足にとれないきょこちゃんの心配の元となっていることへの質問にだぁれも答えることができないからです。

「ねぇ、どおしてなの? どおしてみんな平気なの?」

「ねぇ、どおしてみんな心配じゃないの?」

「ねぇ、どおしてみんな笑ったり眠ったりできるの?」

 そんな質問を手当たり次第、誰にでもし続けては答えがもらえず、失望してはまた質問を繰り返すという毎日で、ふっくらしていたお顔は三角形になり、目の下には青いクマができてまるで病人のようです。

 お母さんはお医者さんに連れて行ったり、チミコデシロップや肝油を飲ませたりしましたが一向によくなりません。

きょこちゃんはいったい何をそんなに心配していたと思います?

それは3ヶ月前のほおずき市から始まりました。

ほおずき市での出会い

 「わぁっ! 高い、高ぁい! なぁんでも見えるぅ!!」

材木屋のおじさん家(ち)の1番背の高い若い衆に肩車をしてもらって、“ほおずき市”にやって来たきょこちゃんは、若い衆の右のお耳を引っ張ると右に行き、左を引っ張ると左に行き、両耳引っ張ると止まれ!という合図だよ、と言われ大喜び!!

「あのね、きょこちゃんそぉーっとひっぱりますからね。そぉーっと痛くないようにね。」

「はいよっ!」

沿道は人でいっぱいです。

でも肩車の上にいるきょこちゃんは誰にもぶつからず、人の頭の上ですから

「楽チン! 楽チン!」

両側に小さなお店がギッシリ並んでいる通りを、

ハイヨッ! ハイヨッ! きょこちゃんのお通りだ! 

と、進んでいきます。

 “ほおずき市”にはほおずき屋さんはもちろん、おでん屋さん、焼きそば屋さん、飴屋さん、綿菓子屋さん、金魚屋さん、風鈴屋さん、などなど、数えきれない程の楽しいお店がいっぱい出ているので、その数々のお店から立ちのぼる美味しそうな香りや、ほおずきの青い葉の匂い、綿飴マシーンの動力モーターのにおい全部がごちゃまぜになって、“縁日のにおい”を醸し出しています。

「あっ!」

「痛っ!! いででででで!!」

「あっん! ごめんなさい!!」

急にきょこちゃんが両耳をしっかと引っ張ってしまったので、若い衆はびっくりして足を止めました。

 そこはまるで黄色い絨毯のように見える小さな小さなフワフワ綿毛のヒヨコが板の上にぎっしり集められている屋台でした。

 ピヨピヨピヨーーーピヨピヨピヨーーピヨピヨピヨーーピーヨピヨ

「わぁ!!わっ! かっわいい~~!!」

「きょこちゃん おりるぅ!!」

「あいよっ!!」

肩車から降ろしてもらうが早いか、きょこちゃんは屋台の板にかぶりつきです。

「こんばんは!!ヒヨコ屋のおじちゃん。きょこちゃんね、こんなにどっさりのヒヨコさんたち見たのはじめてよ。卵をもらいにいくニワトリさんたちにも時々ヒヨコさん産まれるけれど・・・・・・。」

ヒヨコ屋さんにそこまで話しかけてからきょこちゃんはマユを少しよせて、ちょっと気がかりなことを思い出していました。

「ねぇ、おじちゃん。このヒヨコさんたち白い羽になったら食べちゃうの?」

「へぇっ?」

「ぶた屋さんたちのヒヨコさんたちはね、白い羽になると、みーんなどこかに行っちゃうの。お父さんったらね、それは食べちゃったんだよっていうのよ。ねぇ、ホント?」

「さぁ!? どうかな・・・。」

ヒヨコ屋さんはちょっと自信なさそうに頭をポリポリかきかき言いました。

「きょこちゃんとやら、あんたの知ってるヒヨコがどうなったか知らないけどよっ、うちのヒヨコは大っきくなんかならないヒヨコだから大丈夫。食べられたりしないよっ。」

「えっ? ホント? ホントに本当?」

「ほんとうさぁ!!」

今度はヒヨコ屋さん、自信たっぷりに答えました。

「わぁ!!」

きょこちゃんは嬉しくて手をたたきました。小さな妹のよっちゃんに見せたらどんなに喜ぶかしら? そう思うともう欲しくてたまらなくなりました。後ろを振り返って若い衆の方を見ると彼はニッと笑顔でうなづいています。

(きっと材木屋のおじちゃんから何か欲しい物を見つけたら買ってあげるように言われていたのでしょう。)

「さぁ、きょこちゃん。どれか1羽選ぶんだよ。」

「あのね、ヒヨコ屋のおじちゃん。1番元気でおりこうさんでやさしいヒヨコさんを1人くださいナ。」

「はっはっはっはっ、1人じゃなくて1羽だよね。」

「はいっ!」

きょこちゃんはじっくりとヒヨコさんたちを見て、特別かわいく元気に思えた1羽を選び出しました。

「はいよっ! ありがとうさん!! エサに米ぬかをやるからね、水でねってあげとくれ!」

「はいっ! でもぅ・・・・・・ヒヨコ屋のおじちゃん、こんなにエサが少しじゃすぐ食べ終えちゃわない?」

きょこちゃんは受け取った小さなビニール袋の米ぬかを見て聞きました。

「いやぁ、そんだけありゃぁ死ぬまで食べられるさっ! おさじ1杯くらいしか1日に食べないから。」

「そうなの?」

「大丈夫、大丈夫、ほらよっ!!これがあんたのヒヨコだよっ。」

ポツポツ穴が開いている小さな白い箱に1羽だけ入れられても、きょこちゃんのヒヨコは元気にピヨピヨ鳴いています。

「ありがとう!!」

大事に箱をかかえたら、

「そおーれっ!!」

再び若い衆が肩車をしてくれました。

いっときも早くこのかわいいヒヨコさんをよっちゃんに見せたくて、きょこちゃんは縁日はもうたくさんになっていましたから、若い衆の右耳をちょっと気をつけながら引っ張って

「まわれっ! 右っ! おうちへ帰るぅ」

と言いました。

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